『シェイプ・オブ・ウォーター』THE SHAPE OF WATER
『シェイプ・オブ・ウォーター』(THE SHAPE OF WATER)。デル・トロ監督、アカデミー賞授賞おめでとうございます。
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『シェイプ・オブ・ウォーター』(THE SHAPE OF WATER)。デル・トロ監督、アカデミー賞授賞おめでとうございます。
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上記四作品の共通テーマを敢えて言えば「家族」。
『ブラッド・ダイヤモンド』はディカプリオ主演のハリウッドアクション大作だと思っていたら、もちろんそおいう側面はあるにしろ、”ダイヤモンド”というある種ハリウッドではタブーな内容に踏込んだ作品でもあり、そのストーリーとともになかなか見応えのある作品でした。最近の作品で言うと、やはりアフリカを舞台にした『ナイロビの蜂』に似た印象ですかね。個人的にはダイヤモンドのことはもちろんなんですが、それより、子どもを攫い洗脳して兵士に仕立て上げていくのがリアルで怖かったです。ディカプリオ、『ディパーテッド』より作品的にも演技的にも全然こっちの方がいいじゃないですか。でもハリウッド的にはあっちが受賞なんですよね・・・。
しんちゃんは、まあ毎回テーマは「家族」なんですが、今回の『クレヨンしんちゃん 歌うケツだけ爆弾!』は今回はストレートに”泣かせ”にきたって感じでした。だいたいはお馬鹿な展開の中から、ホロリとさせる場面にもっていってくれるんですが、今回はシロを守るという明確な目的が最初から提示されているので泣かせ方もちょっと芸がなかった感じです。それと登場人物はまあ個性的なんですが、「ひなぎく歌劇団」の設定は面白いんですが、具体的にどうお馬鹿な集団なのかが描写不足で(歌わせることに集中させ過ぎたか?)いまひとつ魅力的ではなかったのが作品全体のクオリティを下げている。あとやはり春日部防衛隊にはもっと出番が欲しかった。今回はホントちょい役で残念!
『ブラッド・ダイヤモンド』と『クレしん』が家族を”守る”戦いだとすれば『プルコギ』と『ゲゲゲの鬼太郎』は家族の”再生”の物語か。
『プルコギ』は確かに焼肉を食べたくなる映画ではあります。全体的にギャグが上滑りで地に足が着いてない感じがしますが、まあそれなりに楽しく観れました。田村高廣さんの遺作となりましたが、渋い演技でとてもよかったです。ご冥福をお祈りいたします。あ、ちょうど一年前の昨日が命日なんですね。
『ゲゲゲの鬼太郎』はねぇ・・・。何でねずみ男の衣装があんなゴワゴワのポンチョみたいなのかとても疑問です。ヘン。鬼太郎のちゃんちゃんこも毛ば毛ばでヘン。あぁ、そんなことより一番の問題は話しのスケールがちっちゃいこと。普通ああいう展開なら「妖怪石」を使って空狐が世界を征服しようとして鬼太郎たちと戦うってのが定石じゃないのかね?人間の親子の問題もその中で描いていけばいいわけで、変にそっちに話しの重点を置いたせいか、話し全体が妙にせせこましい。所々見せ場らしきものもあるけど、それらが物語のカタルシスを生み出すまでいってない。とってつけたような天狐(小雪)の登場とか笑ってしまいます。脚本はもっと練りましょう。
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共通項は”復讐”ですか。片や”悩み”などとはほとんど無縁に、というかその辺の描写は飛ばしてシリアルキラーへの道をひた走り、片や常に何かしらの”悩み”に取り憑かれながらもヒーローへの道へ。
いや〜、それにしてもハンニバル・レクターの原点があのような体験にあったとは驚きです。日本趣味も全開で、さすがトマス・ハリス自身が脚本を書いてるだけあってなかなか面白い作品に仕上がってます。レクター教授の誕生秘話としても面白いし、それとは別の「復讐譚」としてもよく出来てると思います。
スパイダーマンは一応”ヒーロー”ということなので、やはり殺人鬼にはなれないわけで、その辺は敵役のサンドマンやヴェノムに任せています。そして彼らの(ニュー・ゴブリンも)行動原理はやはり”復讐”。それにしても絵に描いたようなストーリ展開ですなぁ。教科書のような、というか。それはいいとして、話しが長い。安心して観ていられるというのはこうなるといいのか悪いのかよく分からなくなりますわ。まあそれ程退屈はしませんでしたが。
と、自分の感想はさておき、『スパイダーマン3』は色々な見方があって面白い。どこに着目するかによって様々な解釈が出てくる。それらを読み比べると尚面白い。
◆『スパイダーマン3』サム・ライミ(nobodymag/結城秀勇)
◆スパイダーマン3 (2007)(映画評論家緊張日記by柳下毅一郎)
◆『スパイダーマン3』55点(100点満点中)(前田有一の超映画批評)
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相変わらず丁寧に作り込まれているって感じです。いい意味でも悪い意味でも。
『アモーレス・ペロス』は絡まり合う人間模様の激しさに圧倒されたが、『21グラム』はその内容より、時間軸をいじくる構成そのものに重点が置かれているように感じてしまい、あまり感心しなかった。今回の『バベル』はその間にあるような感じ。でも、三つのパートに分けたせいと、その三つの話し(登場人物)が思ってたより密接(直接的)に関わり合っていかないせいで、話しが濃い割には何だか薄味な印象だ。もちろん、一つ一つの話しはそれだけでも一本の作品が撮れる程の内容を持つものだと思うし十分面白いのだが、やはりもう少しそれぞれが有機的に繋がっていかないと、宣伝文句で期待したような『繋がり』を感じることができない。
と、いうか、モロッコパートとメキシコパートが日本パートの為の踏台になってる感じ。もちろんラストが日本パートなのだから、それはそうなんだろうけど、他の二つのパートの結末がどこか尻切れとんぼ的なのに日本パートだけやたら感動的なラストなので余計そう感じるのだろう。だったら変に三つの話しを交差させないで、三つのオムニバスにしてしまった方がよかったのでは?
どうもこの監督、構成に凝り過ぎる傾向があるのが難点。もっとストレートに描いた方が訴求力があると思うのだが。
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両者ともタブーに挑戦ってとこでしょうか。『リンガー!』は健常者が知的発達障害者のふりをして金を稼ごうという話し。『パラダイス・ナウ』は自爆攻撃(自爆テロとは呼ばない)に向かう二人のパレスチナの若者の話し。
どちらも我々一般的な人間には、こちらから求めない限り、ニュース等の一方的なマスコミ報道を通してしか情報が入ってこないのが現状。実情を知るには当事者たちに接するしかない。そうして出来上がった作品にはそれ相応の説得力とインパクトがあります。
と、小難しいことを言わないでも『リンガー!』は純粋に笑えて楽しめますし、その主張もあくまで控え目で押し付けがましくありません。それでいて感動も与えてくれます。清濁混ぜ合わせて笑いで包む。この辺が今の日本では一番難しいジャンルかもしれませんね。
一方の『パラダイス・ナウ』はある意味、日本が一番近しい立場にある(あった)作品ですよね。神風特攻隊。監督も特攻隊員の残した手紙を参考に読んだといいますし。日本に於いてはどうしてもアメリカ寄り=イスラエル寄りの報道になるので「自爆テロを受けた」って表現になりますがね。そりゃあ一般人を巻き込んでの自爆は(当然そうと知ってての自爆ですから)容認し難いものがありますが、そこまで事態が追い込まれているパレスチの現状があるってことを知ることも大切なのではないでしょうか。(映画ではその辺をもう少し描き込んで欲しかったけど)
それにこの作品が”自爆攻撃を正統化”してるようには見えませんしね。(アカデミー賞の受賞式前にノミネートから外すよう署名運動が起きたそうです。)ちゃんと自爆させる側の矛盾(殉教者の写真やビデオが販売されてたりする)や死にに行く人間の苦悩も描いてますしね。だからこれはフツーに優れた青春映画でもあるわけです。そこから何を汲み取るか。監督の問いかけにどう答えるか。それが我々の課題であろうし将来への希望であるのか。
惜しむらくは、これらの作品たちが極めて限られた劇場でしか上映されていないことである。
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上記に2作品に関連性はありませんが、どちらも少々ガッカリしたという共通点で並べてみました。
『サンシャイン2057』は監督がダニー・ボイルだし脚本はアレックス・ガーランドだし、久々の正統派SF作品ってことで、前評判は芳しくなかったもののそれなりに期待していたのですが・・・。中盤まではそこそこよかったんですがねー。何故にそこからホラーっぽくするかね?そんな必然性はないでしょ?そのまま真っ直ぐに進んで下さいよ!って感じです。百歩譲って”5人目=unknown”の存在を許したとしよう。だとしてもあのような映像処理の必要があったのか?そこにはそれなりの意図があったのだろうが、そうしなければいけないような意図ならそれ自体間違ってるのではないのか?いや、それはそれとしても結局何を言いたかったのかよく分からない、というのが正直一番な問題なんですが。
「地球を救う」というメインのテーマにどう味付けをしていくかってことだと思うんですが、状況的に宗教・精神的なものが入り込むのは仕方ないとして、それをうまく作品世界に溶け込ませていないんだろうね。いや、本来はもっと長かったんじゃないんでしょうかね、この作品。もっとイカロス1号のこととかね。DVDで出る時はフルバージョンで出るのかな?
『ボンボン』はいかにもって感じで嫌いじゃないんですが、個人的に「ドックショー」ってものにあまり好感を持ってないので、それでちときつい見方になってしまいました。でも映画の『ドッグ・ショウ!』は面白かったですよ。
あ、上記2作品に共通する点がありました!どちらも公式サイトの作りが凝ってるんだけどその分操作性と動きが悪い。←そんなオチかい!
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シリアス作品とコメディ作品を並べるのは気が引けるのですが・・・、まあ赤ちゃん繋がりってことでご容赦を。どちらも「赤ちゃん」を通して心が変化していくってことで。
しかし、まあ実際に子どものいない身には、本当の赤ちゃんの威力は分かっていないのかもね。想像することはできるけど、守るべき小さな存在がどれほど強力な磁力を持つのか、本能にどれだけ訴えかけるものなのか。しかし一方ではその命を軽々しくも奪ってしまう親や大人がいるわけですが。何て全然映画の感想になっていませんが、『ツォツィ』は映倫がR-15指定にしてしまいましたが、全然その意図が分かりません。というか映画を作品として観ていないことがありありと分かります。確かに電車の中で人を刺すシーンは強烈ですが、その後のツォツィの心の変化を描くには必要なシーンですし、R指定することで得られる映倫的教育的配慮のメリットより、見れなくなる観客層への映画的感動の機会を奪うデメリットの方が大きいと思うのですがね。
『プロジェクトBB』は、もうジャッキーのエンタメ作品ってことで、まあ笑って最後にホロリ。と、チラシの文句を書いておきます。あ、そう言えばルイス・クーが『エレクション』で見せたクールな役とは真逆のトボケた役で奮闘してましたな。あれ、『柔道龍虎房』や『忘れえぬ想い』『OVER SUMMER』とかにも出てたのか!失礼!意外と見てるじゃん、俺。
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ミニシアター系サンダンス映画祭”絶賛”映画を並べてみました。
まあ、どちらもそれなりのスタイルを持った作品ではありますね。個人的には『13/ザメッティ』の方が楽しめたかしら。一発ネタではありますがネタの面白さとユニークな登場人物たちに軍配を上げます。モノクロで綴られた息詰る空気感は中々なものだと思います。ただ前半の説明的な場面はやや冗長だと思いますし、結末ももうひと捻り欲しかったところです。まあハリウッドで自らリメイクするそうなんでそちらを楽しみに待ちましょう。
『ブリック』は、”1930年代のアメリカ探偵小説を大胆に引用しながら〜”とか”ハリウッドの古典的なフィルムノワールと同じ感覚で〜”とか”ハメットやチャンドラーの〜”とか言われてますし、それはそうなのかもしれませんが、個人的には、それを「現代の南カリフォルニアの高校」に置き換えたことでとても成功してるといは思えないのですが。逆にみんな漫画的キャラ(特にピン!しかも妙に物わかりがいい。そんなギャングのボスがいるか!)に見えちゃうし、やることも所詮高校生なので何だかショボい。特に副教頭なんかが出てきて取引なんて・・・甘っちょろいでしょ。そのくせ主人公だけはやたら強くてスカしてる。そんなに都合良く物事は進まないでしょ!これってアメリカじゃリアルなんですかね?
『13/ザメッティ』の登場人物たちも確かに胡散臭いけど、物語の中ではちゃんと存在感があり、その世界に馴染んでた。でも『ブリック』のそれは世界そのものがウソ臭いうえに、登場人物たちも意味ありげなだけでリアリティを感じない。それに「謎」って言われてもただ謎の為の謎の単語をバラまいて話しを複雑に見せてるだけで、結末には新しさも斬新さもない。”『ツイン・ピークス』を凌ぐ”だとか『レザボア・ドッグス』とかを引き合いに出すだけ失礼でしょ!
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え〜、鳴海璃子ちゃんのを二つ並べてみました。どちらも彼女の魅力が溢れている作品だと思います。ただ作品的には『神童』の方が面白かったです。共演陣も充実していたと思います。もちろん松山のケンちゃんもよかったですが、特に吉田日出子と串田和美の元自由劇場コンビがいい味出してました。話しとしてもこちらの方が好きです。
『あしたの私のつくり方』ももちろん面白いのですが、あの市川準監督が何故にこのような映画を撮らなければならなかったのか?と疑問に思ってしまいました。これは原作ものなので仕方ないのでしょうが、悪く言えば「ありふれたテーマ」を「ありふれた展開」で描いてるだけです。それをそう感じさせないのは監督の演出力のたまもですし、他の監督が撮っていたらもっとベタな作品になっていたかもしれません。それでもやはり原作ものである以上、それなりに映画を見慣れている観客にとっては「見飽きた」感のする作品に思えてしまうのです。もちろんこの映画を本当に観て欲しい対象はそんなひねくれた自分のような人間でないことは承知です。監督もそのつもりで撮っているからこそ、終盤、あえてあれだけベタなセリフを長々と主人公に吐かせているのでしょう。そして大人たちは、市川監督がそうまでしてこの映画を撮らなければならなかった現実にこそ目を向けなければならないのだと思います。
ただどう見てもiモードの宣伝にしか見えない画面とファッションショーをしているとしか思えない石原真理子の衣装は何とかならなかったでしょうか・・・。
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面白い。これぞ映画的興奮と刺激に満ちた作品。バーホーベン(ヴァーホーベン)監督構想20年だけあって、きっちり練り上げられた脚本は細かな伏線もエロ・グロもきっちり盛り込まれ見応え十分。
主人公のエリスを演じたカリス・ファン・ハウテンがまた素晴らしい。キリっと芯の強いしたたかでたくましい女を演じながら、終盤、耐えきれず号泣するシーンは思わず胸をえぐられる。
監督が言うように全ては「白でもなく黒でもないグレー」。人間の欲望の前には戦争という大義も矮小な経済装置に成り果て、金と恐怖と差別が人の心を弄ぶ。正義も悪も物事の裏表でしかない。そもそも戦争自体が人間の欲望が生み出したものだから、戦時下ではその本性がいかんなく発揮されることとなる。
冒頭とラストが1956年10月のイスラエルのキブツになっている点も注意。そう、悲しみに終わりはないのだ。
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