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2009.03.30

『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』感想

相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』です。去年、『相棒ー劇場版ー』を観てしまったのでこちらも一応押さえておきました。

『相棒ー劇場版ー』より面白かったです。正直『相棒ー劇場版ー』は謎解きにかなり無理があり映画としての出来はあまりよくありませんでしたが、こちらは地味ではありますがまだ話として納得できました。六角精児も“主役”としてのオーラはありませんが、キャラとして確立されているので物語を引っ張っていくには十分な存在感はあります。

とは言ってもあくまで『相棒ー劇場版ー』と比べての話で、作品そのものとしては全く物足りません。チラシには「触れてはいけない警察機構の闇に、辿りついてしまった!!」なんて大袈裟な文字が踊ってますが、一応そんな背景は描かれてますし、展開上もそんな期待を抱かせますが、結局はそこには踏み込まず、いい意味でも悪い意味でも意外な人物が犯人だったりします。肩すかし。まあ、別に『ポチの告白』のような強い意志を持った映画ではなく、あくまでこちらは娯楽作品なので、深いものを期待する方が間違ってるんですが、それにしても風呂敷を広げた割には犯人(動機)は・・・みたいな落胆は隠せません。

もちろんその動機は、映画の中でも言ってる通り、突き詰めれば“警察組織の闇”には行き着くのですが、その辺は何だかパターン化された“闇”で単なるハク付けのようにしか感じられませんでした。残念ながら。

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2009.03.29

その顔はもう勘弁して下さい:オーストラリアの7つの贈り物

オーストラリア』のニコール・キッドマン:その大袈裟な顔力演技はもういいです。眉間に皺を寄せたきっつい顔はもういいです。本当は違うのかも知れないけれど、この映画を観てると「この人はいつもこんな顔で演技してた」と思えてきてしまった。少なくとも『記憶の棘』や『ライラの冒険』はそんなイメージが。『インベーション』『ドッグヴィル』『白いカラス』う〜ん、どうだっかな。まあいいや。作品の作りとは合ってるんだと思いますよ。CGで作った書き割りのような風景にメリハリのある演技。劇的な出来事の数々。ミュージカルそのものですからね。一部で話題になった日本軍の上陸シーンも、史実と違う云々を抜きにしても、取って付けたようなシーンであるのは確かですね。無くてもなんら問題のない。

7つの贈り物』のウィル・スミス:この人の困ったような笑ってるような泣き笑いの顔ももういいよ。『ハンコック』と同じでしょ。というかこれは演出の問題なのかもしれないが、この作品の場合、その顔つきはマイナスになりこそすれプラスには働かないでしょ。そもそもが重苦しい話なのに、主人公に四六時中あんな顔をされたんじゃ“衝撃の”結末に行く前にこっちの気が滅入っちゃうって。やっぱり最初は普通に人助けする人の朗らかなお顔で通して、ラストでドーンときたほうが良かったのではと素人目には思えるんですが。

『7つの贈り物』では久々にバリー・ペッパーを見られてうれしかった。でももっといい役にしてあげてよー。出演作は決して多くはありませんがいい役者さんです。最近では『メルキアデス・エスタラーダの3度の埋葬』が素晴らしかった。『25時』ではエドワート・ノートンフィリップ・シーモア・ホフマンとの共演で一歩も引けを取らない存在感を示していたし。この時の役って『7つの〜』と似てるね。

  

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最近の「金返せ〜!」映画:感染列島はヘブンズドアをくぐってもハルフウェイ

最近はひと月に20本超の映画を観てますが、数多く観ればその分ハズれの作品も出てくるわけでして。

感染列島』:瀬々敬久監督のファンなので何とか贔屓目に観ようと努力しましたが、努力の甲斐無く、怒りというより呆れ果てて笑うしかない状態になりました。これだけ観客を馬鹿にしてる映画も珍しいかなと。『L  change the WorLd』並に酷い。どう考えても状況と行動と画面がそれぞれ勝手に動いてて統一感が全くゼロ。「うん千万人死亡」のテロップが出ても何の緊張感も生まれないし、そんな状況下で海外に勝手に出れるのか????主人公たちのいる病院の周りは実にのんびりとした風景なのに、あの渋谷や都内の荒廃した風景は何を言いたいのか?それはもう『日本沈没』並のパニックが起きてるはずだろ?自衛隊は?インフラは?何を描きたいのかさっぱり分かりません。観た直後はもっと色々と文句があったはずだけど、もう忘れたからいいや、どうでも。

ヘブンズ・ドア』:これもかなりいい加減というか中途半端な映画。マイケル・アリアス監督も『鉄コン筋クリート』が好きなんであんまりけなしたくないんだけど、やっぱダメだよ、これ。リアルに軸足を置くのか、ファンタジー系に持っていくのかはっきりしてない。どっちでもアリアスだよってのでもいいけど、それでもリアルにする部分とファンタジックにする部分を間違ってるでしょ。K3ホールディングスの間抜けさとか警察の間抜けさとか都合のいい時に起きる発作とか、いちいち白けちゃう。

ハルフウェイ』:アドリブという手法自体は否定しませんが、客からお金を取って(しかも通常と同じ料金)見せるのであれば、もっとちゃんとした映画作品にして下さい。お願いします。あれじゃ「セリフ」じゃないでしょ。一体どこのお金を掛けてるのですか?教えて下さい。アドリブでやるならせめてアドリブの稽古を役者にさせましょう。しかも言ってることが滅茶苦茶。あんたらは早稲田の回し者か!!特に大沢たかお!お前だ。最近ダメな作品にばかり出てるからっていい加減なこと言ってるなよ。何で地元の大学に行くより東京の大学に行った方がいいんだよ。何が「人生のほんの2〜3年なんて」だ。そこが人生のターニングポイントだろうが。東京で遊びを覚えた男の方がいい男なのか?え!お前は「木綿のハンカチーフ」を歌ったことがないのか!愚か者め。成宮、お前もだ!高校の実績作りのためだけに生徒に早稲田を薦めるなよ。

『感染列島』や『ヘブンズ・ドア』は作品としてはダメでも、志や努力は分からんでもないからまだいいが、『ハルフウェイ』はもう無法地帯。北乃きいちゃんのプロモーションビデオとしてなら最低限の存在価値を認めないでもないが、その場合は大沢と成宮のシーンはカットでお願いします。ああ、観ててこれだけ腹が立ってきた映画も久しぶり。こんなんで金取るな!

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『ホノカアボーイ』感想

ホノカアボーイ』観ました。観る前は『めがね』みたいな映画かな?とか思ってましたが、雰囲気は似てないこともないけど、『めがね』よりは自分にはしっくりきました。押しつけがましいところが無いのがいい。

ハワイって不思議ですよね。沖縄みたな濃さはないけどスピリチュアルな部分は失っていない。自分の姉貴がフラダンスをやってて、毎年横浜でやってるハワイアンフェスにも何度かお供したことがあるので、最近割とハワイを身近に感じたりもして、そういう点からも興味深く観ました。

喜味こいし、正司照枝、最高ですね。日系人というより移民って感じですが、いい味出してます。ウクレレ少年もよかった。倍賞千恵子の手料理もうまそ〜。マラサダ食いてぇ〜。岡田将生って『天然コケッコー』の男の子なのか。結構見てるな俺。『アヒ鴨』『ROBO☆ROCK』『ブラブラバンバン』。でも全然どんな役だったか思い浮かばない・・・。でもこれだけは言える『ハルフウェイ』より百倍よかったよ!

生温い映画はイヤだという人には向かないかもしれませんが、たまにはこの手の映画もよいものです。それにしても何故に蒼井優?『フラガール』だから?

グーグルマップで探したらありました。ホノカアの町。あのPEOPLE'S THEATRE」の写真も!でも周辺の航空写真はボカされてます。何故に?何か国家機密に関わる施設があるのか!?

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2009.03.27

『アンダーワールド ビギンズ』感想

アンダーワールド ビギンズ』観ました。シリーズ三作目。シリーズ化されるとだいたいこの辺りでマンネリ化して、世界観だけは残してはいるものの、単なるアクション映画と化してしまう作品が多いのですが、『アンダーワールド』はそういう負のスパイラルに陥ること無く個々の作品のクオリティを保っているめずらしいシリーズだと思います。

今回はそもそもの始まりの物語。まあシリーズものにはよくあるパターンではあります。なので前二作を観ていなくてもちゃんと楽しめます(まあ観ていた方がより面白いのは当然ですが)。ヴァンパイア族、狼男族、ライカンの因縁の始まりです。アクションシーンは控えめで、主人公二人を軸としたドラマをじっくりと見せてくれます。見終わった後、前二作をもう一度見直したくなりました。その辺りの作りもうまい。

 

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2009.03.25

コミック原作もの:カンナさんとか20世紀少年とかエリートヤンキーとか

ここ最近観たコミック原作作品から。

◇『劇場版 カンナさん大成功です!』:何だかちゃちくて安っぽい。山田優が好きになる男の子が全然かっこよくないし、南海キャンディーズの静ちゃんてそんなにブスでデブじゃないから話全体に説得力ないよ。山田優の整形前をパペットアニメで表現するのも面白いけど、実際のギャップが画面から伝わらないのでマイナス。同じマンガを原作とした韓国映画版カンナさん大成功です!』の方が、話はかなり変えてありますが、比べ物にならないくらい面白いです。さすが整形大国!

◇『20世紀少年 第2章 最後の希望』:三部作なのでしょうがなく観てる部分はありますが・・・。まあマンガよりは分かりやすくはありますか。でももう、誰が一番マンガのキャラとして似ているか、くらいしか見所がありません。やはり小泉響子でしょう!木南晴夏っていう子なのね。憶えておきましょう。映画はまだこれと『ZOO』だけなのね。観てないや。

◇『激場版 エリートヤンキー三郎』:面白かった〜。笑わせていただきました。テレ東の番組は時々見てたので、一応の話は知っていたので助かりました。どのキャラも好きですが、やはり佐伯日菜子ちゃんが最高でした。山口雄大監督もこの手の作品はもうお手の物って感じですなあ。

◇『超劇場版 ケロロ軍曹 撃侵ドラゴンウォリアーズであります!』:正確には映画オリジナルストーリーなんですが、こちらもいささかマンネリ化の気配が。テレビアニメで見る限りはまだまだ面白いけど、映画化して1時間を超える話にするにはきついネタだよね、毎回思うけど。それとこれも毎回思うんだけど、何でみんなポケモンキャラになってしまうの?もう、おじさんはポケモンと区別がつかないよ全く。せめてもの救いは今回のガンダムネタが、ガンダムの中でも異端的な存在の「ターンAガンダム」だったことかしら。ヒゲ付きガンダム。

◇『ドラゴンボール エボリューション』:もう今更言う事もないでしょう。映画化の意図がまったく意味不明。話も酷すぎる。チャウ・シンチーはプロデューサーという肩書きをもらっていたけど全然意見が聞いてもらえないから宣伝活動を拒否したらしいけど、作品の出来をみればそれは正解だったよ。どうせ金かけるならCGじゃなくて脚本に金と時間かけろよ!的な典型作品。

番外作品(マンガじゃなくてアニメが原作だけど)

◇『ヤッターマン』:世間的にはかなり評判よく、先週末も興行成績はトップでこれで3週連続ですよ!三池崇史監督としても初の快挙では?確かにワタシも楽しめました。ドロンボー一味は鉄壁でしたね。深田恭子のキャスティングを聞いた時にはワタシも心配しましたが、なかなかハマってました。問題は主役の二人。主役だけど存在感が無いのはアニメでもそうなので問題ないんですが、一応ヒーローなんだから、せめて動きはもっとシャープに決めてくれないと。無駄にかっこいいのが君らの存在価値でしょうに。櫻井翔と福田沙紀、二人ともダメダメでしょう。そこが残念。

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『パッセンジャーズ』感想

『パッセンジャーズ』を観たよ。そっか、そうきたか〜。そこまでは見通せませんでした。予告編からはもっと陰謀的というか、サスペンス寄りの話かと思ってました。途中までは見事にミスリードされました。

難点を言えば、そこまで引っ張った割にはオチ(結末)の感動が薄いのよね。観客を騙すためだけの仕掛けのようで。基本的には”あの”作品のような話なんだけど、ミステリアスに進めた分だけそこからの切り替えが難しく、素直に感動できない。途中のエピソードをもっと工夫すればよかったのかな?あと、登場人物それぞれの立ち位置も不明確。どっちの立場(役割)に立つ人なのかが不明瞭。オチを読めなかったから言うわけじゃないけどさ(笑)。

類似作品を紹介すると即ネタバレになるので、別の観点から「ヒコーキ」「行方不明」とくれば個人的に大好きな作品が『フォーガットン』。世間的な評価は高くありませんが、ワタシ大好きです。全く別のジャンルだけど『スネーク・フライト』もね。

  

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2009.03.23

『ワルキューレ』感想

ワルキューレ』観てきました。歴史的事実は知っているので、正直どこまで楽しめるか不安はありました。ひょっとすると「実はヒトラーの影武者が・・・」とかいう展開なのか?とかも考えましたが、さすがにがにそれは(笑)。まあ、知っているといっても結果だけだったので、そこに至る経過や駆け引き、それぞれの葛藤、事の結末etc、一連の事件の流れが分かって面白かったです。

戦争映画と言えば戦争映画ですが、戦争映画につきものの派手な戦闘シーンは無く、暗殺計画の顛末が時間軸に沿って描かれています。ウィキペディア(を信じるとしたら)なんかを見ると、かなり忠実に映画化されているようです。

歴史に詳しい人にはどう映るのかは分かりませんが、自分程度の知識の人間には、結果は知っているとはいえ、緊迫感もあり面白かったです。また、「if、もしも」という点からも興味深い事件ですよね。「もし、あの時あれが」とか想像すると、そういうパラレルワールドものがあってもいいんじゃないかとか思っちゃいますね。

オペレーション・ワルキューレ』というテレビ映画がドイツで作られていたんですね。これも観てみたい。ドキュメンタリー映画&本もあるのか。

  

ヒトラー暗殺計画 - Wikipedia

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2009.03.22

『ポチの告白』感想

シネマジャック&ベティで『ポチの告白』を観てきました。ケイズシネマで観ようと思ってたらこっちでもやると知ったので、待っていました。

一週間限定で一日一回の上映なのでそれなりに混むだろうと思ってたら、やっぱり混んでました。上映が14時40分からと、働くおじさん的には平日に観るのは不可能な時間帯なので、土日に行くしかないので仕方ないですよね。しかし!、隣でやってる沢田研二映画特集「ジュリー!!」は当然ながらもっと混んでました!(どうやらソフト化されていない『パリの哀愁』って作品だったらしい)あ〜俺も観たかったよ『太陽を盗んだ男』。

まあ、そんなわけで当初『ポチの告白』はベティ(138席)ちゃんでの上映予定だったのがジャック(114席)くんに変更されてました。

で、『ポチの告白』ですが、撮影は2004〜2005年に行われているんですよね。ようやく公開されたってことでまずはおめでとうございます。警察官の腐敗じたいは今更に始まったことではなく、アメリカ映画でも盛んに取り上げられる題材ですよね。最近でも『フェイクシティ』や『チェンジリング』とかね。日本の場合も、その特異な体質は小説なんかでも取り上げられて、読んでる人も多いと思うんですよ。横山秀夫とかね。だからもう珍しいことではなく、みんな知ってることだと思うんですよ。

しかし、この映画には一人としてまともな警官が登場しない。そこが凄い。悪徳警官の親玉たちがいて、他の刑事・警官たちも「組織を守る」という大義名分さえかざさず、淡々と日常業務の一環として邪魔者・役にたたなくなった者を切り捨てていく。普通こういった作品では、組織内に一人くらい青臭い正義感を振りかざして反抗する者がいるものだが、そんな奴は一人もいない。もうみんな分かっているから「罪を被れ」と言われればその通りにする。ほんと、「日本最大の暴力団」と言われる所以である。この容赦ない描き方が製作陣の決意を表していると思う。

しかしエグゼグティブ・プロデューサーに亀山千広の名前があるんですが、フジテレビ的には問題なかったですかね?奥山和由は分かる気がするけど。  

             ↑

(これホント?チラシにも公式サイトにもそのような名前は載っていないんだけど。シネマ・ジャック&ベティの作品紹介のページにあるだけなんですが。どうなんでしょうね?)

ちょうど今現在、民主党の小沢一郎の秘書が逮捕され、「国策捜査」じゃないのかとか色々言われてたりするけど、その真偽は別として、新聞テレビの一方的な「小沢叩き」を見ていると、ほんと日本のジャーナリストって権力のポチなんだなぁと思ってしまいますね。エサとして投げ与えられた記事を垂れ流してるだけ。

『ポチの告白』で糾弾されるべきはもちろん警察組織だが、奴らに飼いならされたマスコミや司法も(司法の独立なんて誰も信じてないでしょ?)等しく腐敗してるってことだ。そして我々一般市民もポチにならないように、早く目を覚まさなければいけないのである。

宮崎学が裁判長役で出てるのが笑える。かなり緊張してなかった?

大岡川に沢山のカモメがいました。

Koganecyo_20090322

飛んでるカモメの向こうに新しい交番KOBANが建設中です。願わくばこの交番が劇中の交番のようにならいように・・・・・。

Koganecyokoban_200903

<3/30追記>

ジャック&ベティでのアンコール上映が決定したようです。4/18(金)〜5/1(金)。現時点では時間未定です。

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『インストーラー』の感想とか

既に上映は終了してますが、先週シネクイントのレイトで『インストーラー』っていうのを観てきました。この作品、全然ノーマークで、シネクイントのスケジュールを見ていて「あれ?聞いたこともない作品があるぞ」ってことで調べてみたら、何だか「面白そうじゃん」ってことで、2週間限定ロードショーってこともあり、頑張って観てきた。

調べるっていっても公式サイトもないようだし、劇場と配給会社の簡単な紹介ページしかなかったんだけど、個人的にはこの「シネクイントのレイト」というのは中々
”ツボ”な作品に当たる確率が高いので、密かに期待しちゃったわけです。

『インストーラー』(クロックワークス公式サイト)

それにしても最近「シネクイントのレイト」の宣伝って軽んじられてません?少し前の『斬る〜KILL〜』の時もチラシをどこにも見かけなくて、何とか気合いで吉祥寺のバウスシアターで見つけた(『殺しのはらわた』を観に行って)けど、今回の『インストーラー』のチラシは結局どこでもお目にかかれなかった。

で、作品の方はですね、面白かったです。最近のハリウッドの、金は掛けたけど中身の薄い、SFとは名ばかりのただのアクション大作でしかない作品群に比べればちゃんと一本筋が通ってるし。かといってアクションの方も手を抜いていない。冒頭に銃撃シーンがある以外は、派手な爆破シーンやカーチェイスがあるわけではなく、メインは人間同士のリアルファイト、殴り合いなのだ、これがなかなか凄い。タフな男のぶつかり合い。

惜しむらくは「記憶のデジタル化」というアイディアが、物語を進めるキーにはなっているのだけれど、今ひとつ全体をひっぱるには力不足だ。何だか背景のひとつになってしまっていて、そこから引き起こされる物語が生まれてきていない。何と言うか、「記憶をデジタル化」された人間が主人公、もしくはそれに近い人間で、それを巡る話なのかと勝手に想像していたら、そうでは無かった。そうである部分もあるのだが、ずっと病院の中で処置されてて外に出ないから、そこからは話が進まない。

もちろん”記憶”がキーワードになっているのは確かで、それが引き起こす悲劇ではあるのだが、その部分をもう少し全面に出して(主人公と絡めて)もよかったのではないか、と。SF的小道具とか凝っててよかっただけに残念。

「記憶のデジタル化」及び「シネクイントのレイト」で割と好きな作品たちです。

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ガイ・リッチー『ロックンローラー』感想

さんざん迷ったあげく恵比寿で『ロックンローラー』(byガイ・リッチー監督)を観てきました。劇場のHPにある通り、休日の夜19時の回は空いていました。

そういえば『リボルバー』もガイ・リッチー監督だったんですね〜、と、もうタイトル聞いても全然内容を思い出せないけど、レイ・リオッタのアクの強い顔だけは予告編の時から強烈に焼き付いていて、かろうじて「ああ、あの映画かぁ」と思う程度には思い出した。でも「あれ、ジェイソン・ステイサムが主人公だっけ?」というくらいに印象は薄い。っていうかジェイソン・ステイサム、似たような作品に出過ぎ!車の運転だけやってろって!

と、まあガイ・リッチー監督なわけだが、いまだに「『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』の」と言われるのはいかがなものか。今回も似たような群像劇。でも中だるみが激しい。中盤は話を進めるだけの展開で刺激がなく退屈でした。ちっとも進化してねぇよ。

救いは、役者陣がみんな面構えがよろしいこと。キャラも立っているのでその辺は楽しめた。ロシア人の用心棒たち最高!君らはターミネーターか!?

まあマドンナと別れたし、新作『シャーロック・ホームズ』(原題)ももう撮了してるようだし、今後も注目ということで。

ガイ・リッチー監督、新作決定!今は映画作りに没頭? (シネマトゥデイ2009.03.18)

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