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2008.02.11

邦画まとめて感想〜結婚しようよ、KIDS、L change the WorLd、歓喜の歌

『ラブ★コン』で共演した藤澤恵麻ちゃんと小池徹平くんがそれぞれ今度は『結婚しようよ』と『KIDS』でシリアスな役で登場。どちらも今回は笑いは取らないものの、静かに熱演してました。一方『グミ・チョコレート・パイン』で個性を発揮していた金井勇太くんが『結婚しようよ』で恵麻ちゃんといい感じで好青年を演じていたのに、『L change the WorLd』ではどーでもいいような役で扱いの違いに悲しくなりました。

◆『結婚しようよ』:監督が30年間実現を夢見ていた企画だそうで、全編吉田拓郎の曲で埋め尽くされてます。世代的にはかぶらないですし、熱心な拓郎ファンでもないですが、時々口ずさむ曲はあります。冒頭の「洛陽」のシーンはなかなかグッときました。でもそれ以外は何だかBGM程度の使われ方で、個人的には(あまり思い入れがないせいか)拓郎ソングである必然性が感じられませんでした。
まあ、話もオーソドックスな物語で安定感があるので安心して観ていられますけどね。地味になりがちなこの作品のアクセントとなっているのがAYAKO率いる中ノ森BANDですね。彼女らがいなければかなりキツい仕上がりになっていたでしょう。岩城滉一は一人で渋すぎです(笑)。

◆『KIDS』:乙一の原作は未読です。でもこの映像化は酷いですね。荻島達也監督はそれなりの監督の下でチーフ助監督をしていたそうで、この作品の前に(未見ですが)同じく乙一原作の『きみにしか聞こえない』を撮ってるんですね。それでこの出来ですか・・・。それとも脚本が悪いのか。とにかく恥ずかしくなるようなシーンが続出で、困ってしまいました。脚本が悪いとしても、この映像の演出の酷さは監督のものでしょうからね。
とってつけたような子どもたちの登場や、都合良く怪我をする子どもたち。とても大事故とは思えないような事故現場。車がひっくり返るような事故ならもっと破片や何かが散乱するでしょう。そもそもどうしたら車があんなにひっくり返るんだよ。しかも取って付けたように助けを求める母親。幼稚園のお遊戯ですか?その演出は。
自分たちの住んでる街をやたら卑下してたけど、全然そんな荒んだ街に見えないし。木更津市民が怒るよ。
書き出すときりがないのでやめます。せっかくの魅力的な設定なだけに、それをことごとく裏切る演出に唖然です。設定の面白さで何とか興味を持続できますが、途中の酷い演出で白けてしまい、作品の印象は最悪ですね。でも俺はマスク顔の千明ちゃんも好きです!

◆『KIDS』も酷かったが、それに輪をかけて酷いのが『L change the WorLd』。この作品から松山ケンイチを抜いたら何が残るのか???といった松ケン絶対主義映画。これも愚痴を言い出すと止まらなよ〜。こんな映画、日本・香港・台湾・韓国とで同時公開していいのか!松ケンファンは喜ぶでしょうよ、そりゃ。でも一般映画ファンは怒るよ、普通、この映画。

もう最悪でしょ。こんなクズ映画をどうして中田秀夫監督が撮ったのか!?そもそも脚本家がこんな大風呂敷広げたパニック映画を書けるようなレベルの人じゃないんじゃないの。それともこれは監督も含めて意図的にチープにする作戦だったのか?
冒頭はいいよ、まあ。ハリウッド並の展開を予感させるオープニングを狙った努力は買うよ。でもそこからは坂を転がるようなハリボテ映画。環境保護団体?過激派?FBI?ウィルス?言葉を並べればいいってもんじゃないでしょ。どこをどう取ってもリアリティのかけらもない。
Lにしてもデスノートシリーズではライトという対立者がいたからこそ、その知力が発揮され設定の複雑さと相まってそこそこ見れる作品になってたのに、この映画ではそんなパズル的面白さもなく、かといってアクションも実に中途半端だし、お菓子の演出も面白みがなく、松ケンが入れ込んでいるのは伝わるが、キャラクターとしての魅力はやはりデスノートシリーズには及ばない。
他の出演者も、福田麻由子ちゃん意外はそのオーバーアクションが作品のダメダメさと相乗効果で空回り。そもそも南ちゃんな何?何しに出てきたの?日テレだから?佐藤めぐみちゃんはどうしたの?いつから女ターミネーターになったの?中田監督的キャラであることはうれしいけど、そんな映画なのか、これは?高嶋政伸はいつの時代の悪役だ?昔の日本の特撮映画キャラか。そうか、そうなのか、やはりこれはそれを意識した映画なのか?え?中田監督。トンデモ系映画としてカルト化する狙いですか。ヤラレタ!

◆『歓喜の歌』:そんなクズ映画(失礼!カルト映画)を観た後なので『歓喜の歌』はとても良質な映画に感じられました。いや、実際いい映画です。無理に世界標準を狙ったり、人気俳優を使わなくても、アイディアと脚本と演出があればこれだけ面白い映画が作れるという手本のような作品。もちろん出演者も実力派揃いですが。
『東京タワー』でも安定した的確な演出を見せてくれた松岡錠司監督が、ここでも笑いとちょっぴりの涙と感動を届けてくれます。こういうウェルメイドな作品はお手の物ですね。欲を言うならもう少しクライマックスで合唱をたっぷり聞かせて欲しかった。落語では出来ない部分ですからね。
観終わった後、人に優しくしたくなる映画です。映画は話題性で選ばず、内容で選びましょう。



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