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2007.09.23

『ホステル2』感想

Hostel2little2「2」なので、当然「1」とは同じことは出来ないわけで、今度は拷問・殺人クラブ「エリート・ハンティング」の内側に入った作りに。

当然「1」のような衝撃や先の分からない緊迫感は薄い、というかほとんどない。ゴアシーンも前作に比べて控え目で、怖さもあまり感じない。

で、今回は殺す側の視点、その入札システムの面白さ(不謹慎!!)や初めて人を殺す落札者の心理状態を交えて描いている。なので前作のような得体の知れない(都市伝説的)不気味さは影を潜め、代わりに非常に人間臭さい雰囲気に仕上がっている。それはそれでいいのだが、そのせいであまり他のこの手の作品と差別化できなくなっているのは否めない。

まあ、前作も「拷問・殺人クラブ」というアイディアそのものの新鮮さはあったものの、作品自体の作りは極めてオーソドックスな復讐サスペンスでしたから、その点では今回もツボを押さえた、伏線の張り方も相変わらずうまい、堅実な“ゴア・スリラー”ではあります。

比べると前作の方が面白かったですが、パート2ってことではなかなか健闘した方ではないでしょうか。前作を観てなくても楽しめますが、観ておいた方がより楽しめるのは間違いありません。あと『パルプ・フィクション』?で、3は作るの?イーライ・ロスタランティーノ

*女子大生試写会で途中退出者続出とか何とかいう話題が出てましたが、普段こんな映画なんか(そもそも映画なんか?)観ないようなギャル達に見せて、宣伝効果はあったんですかね?100名中30名退席だなんて、よっぽどのお嬢さん方だったんですね。ていうかそれが正常な反応?ちなみに私が観た回のシアターNにはそれらしき姿はほぼ皆無でしたが。

女子大生号泣! タランティーノが送る怖すぎるゴア・スリラー『ホステル2』(マイコミジャーナル:2007/08/02)

究極ゴア・スリラー『ホステル2』女子大生100人試写会で絶叫の嵐!(CINEMA TOPICS ONLINE:2007/08/01)

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『キャプティビティ』『ホステル2』感想

Captivity2Hostel22

全く予想していなかったことですが、思いのほか似た構造の『キャプティビティ』と『ホステル2』でした。まあ、この手の作品ではよくあるパターンかもしれませんが。

『キャプティビティ』は一旦完成後、追加撮影・再編集のため公開が延期された経緯があります。日本語公式サイトや他のサイト上の感想等を読むと、どうやら今回公開されたバージョンはかなりカットされ短縮されてるようです。公式サイトも当初のバージョン基づいて書かれているようで、実際の公開版に合わせての修正もなされてないようです(怠慢!)。

一番大きな変更は、行方不明になった主人公ジェニファー(エリシャ・カスバート)の捜索をする警察(刑事)のシーンが無いことでしょうか。日本語公式サイトのストーリー紹介には、「地元刑事がジェニファーの行方を追っていた」とか「精神科医スーザンは手強い犯人像を分析し」とか書いてありますが、そんなシーンはありませんでした。刑事達は終わり近くになっての登場だし、精神科医(マギー・ダモンという人)に関しては一切出番無し。犯人による切り抜きのシーンで代用されたかな?
チラシや映画関連サイト上では“上映時間”が「96分」になっているのに、実際の上映時間は「84分」しかありませんでしたから(←TOHOシネマズのマイルが84マイルになっていることよる)そこんとこをまるまるカットしたんでしょうね。
結果的にそれがどういう方向に転んだのかは元のバージョンを見てないので何とも言えませんが、多分96分版では警察や精神科医が途中から絡むことで犯人がバレバレとかだったんでしょう。で、そこをカットして犯人を分かりづらくした、つもりなんでしょうね。

前置きが長くなりましたが、作品の方もそんな公開までのゴタゴタに合わせるかのような、混乱振りで。冒頭からしばらくかなりエグいシーンが続くのですが、それが終盤、犯人が分かってからは、何でそんなグロいシーンが必要だったのか全然必然性のない展開になってしまう。単に観客をビビらせる為に撮ったような場面でしかない。主人公の拷問シーンも、何やら意味ありげでアイディアを絞った感じはするけど、今となっては『SAW』の二番煎じの感は拭えない。
犯人が分かってからの展開が何だか普通のサスペンスっぽくなっちゃうのも何だかな〜って感じで肩すかし。前半の不気味さや拷問・殺し方のエグさに比べてギャップがあり過ぎ。好意的に考えれば、カットした精神科医とかの文脈(犯人のトラウマ)と繋がる部分があったんでしょうが、そのシーンが無いんだからどうしようもない。

原案・脚本が『フォーン・ブース』『セルラー』のラリー・コーエンってことで大変期待してたんですが、そもそもの脚本に問題があったのか、監督や編集に問題があったのかは定かではありませんが、それらを超えることは遠く及ばなかったってことですね。そもそもこの手の作品では、犯人の人物像や動機等にある程度の説得力を持たせないと辛いものがあるし、それと犯人を分からないようにしておく為の演出とがうまく噛み合わなかった結果がこの中途半端さになったんでしょう。だったらいっそ、もっとB級っぽく振り切れちゃった方がよかったんだけどね。トラウマ系猟奇殺人ホラーに徹するとかね。

え〜、それとですね(映画が上映される前にクレジットが入るのですが)自主規制という名の表現の圧殺の為、途中何ヶ所かグロいシーンが真っ暗にされて内容が観客には分からないようになっていところがありますのでご注意下さい。ピンポンポンポ〜ン。

長くなってしまったので『ホステル2』に関しては別ページで。

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2007.09.21

『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』感想

Sukiyakiwesterndjango2楽しみにしていた『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』を観てきました。

結論:期待値が大き過ぎたせいか今ひとつ楽しみきれずな結果に・・・。

特に、テンポも話しの進展もない前半が致命的か。ほとんどが回想的説明場面なので退屈。話しが動き出す後半からはそれなりに面白いのだが、これではヴェネチア無冠も頷けるか。

全体のトーンとしてはギャグなのであまり細かなことを言っても仕方ないかもしれないが、せっかくマカロニウエスタンを下敷きに持ってきているだから、もっと、ギャグだからこそのスキヤキなウエスタン感を出せなかったものか。
源氏と平家とかの設定(言葉)や舞台美術・衣装等はかなりいい線いってると思うのだが、それ以外はスキヤキ感不足でただ単に日本人が英語で拳銃振り回してるだけになってる。せっかくのユニークな世界観を十分生かせてない感じがして残念。西部劇なドキドキ感や緊迫感ももっと欲しかったし。

伊藤英明くんの存在が中途半端なのもマイナス要因。生い立ちや村にやってきた理由がよく分からない。源氏と平家の関係もあやふや。“対立”になってないんだもん。源氏が圧倒的に強いのに何で平家を追い出さないのか分からない。一応説明はあるのだが、全然意味をなしていない。武器は持たせないでしょうに。ギャグベースとはいえ不自然過ぎるのもマズいでしょう。

木村佳乃の踊りも、ありゃねぇだろうって感じ。踊りの魂の部分は分かるけど、表現された踊りがあれじゃ観てて疲れるだけ。もっとフツーに色っぽく踊って下さいよ、トホホ。

松重豊と伊藤英明がすれ違う場面もよく分からない。最初と最後では時制が違ってません?俺の見落とし?

文句ばかり並べてますが、桃井かおりはかっこよかったです。タランティーノも楽しそうでした。監督の志と役者の意気込みは買うが、結果が付いてこなかったか。

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2007.09.17

『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』感想

Funuke2もう随分前に観たのですが。

舞台も観てないし、本も読んでません。原作者の本谷有希子さんが自分と同じ石川県出身だし、映画のロケ地も能登の方で行われたってことで、注目してました。

佐藤江梨子のキャラはあれでいいと思うけど、それと対照される妹の存在感が弱いのが難点ですかね。もっと妹の物語も語ってくれないと、あれだとただ勘違いでウルサいだけのお姉ちゃんが空騒ぎしてるだけのお話しになってしまってまする。まあ、そういう話しなんでしょうが、何か物足りない。

それと「田舎の閉塞感」ってのが感じられないのよね。携帯の電波が届かないくらいの田舎って感じもしないし。家の中の閉塞感はあるんだけど、それを囲む田舎感が希薄。だから妹の行動が対姉なのか対田舎なのかはっきりしない。というか対田舎の部分が不鮮明なので妹の行動に説得力がない。

でもって、最大の欠点が兄嫁の永作博美が一番怖いってこと。完全にサトエリは喰われてる。まあサトエリのキャラが分かりやすいキャラだからってこともあるんだけど、そのストレートさが永作博美の不気味さの前には、パワーのみで押す演技の限界というか、パワープラスαの必要性を感じさせて興味深い。どうせならもっと振り切れるまでのパワーを発揮して欲しかった。まあ、それは原作や脚本があってのことなので仕方ありませんが。

ん、今思ったけど、これってひょとして真の主人公は兄嫁?

でも、これ、方言は頑張ってました。かなり。エンドロールを見てたら、方言指導が七尾の方になってましたが、どうりで自分の実家の辺の言葉に近いと思いました。ロケ地的にはもう少し奥能登の方なのですよね。金沢弁とも違うしね。本谷さんはあっち(加賀)の方ですけどね。お兄ちゃん役の永瀬正敏くんなんかかなりよかったですよ。二時間ドラマなんかと比べると失礼ですが、そんなのより全然ちゃんとしてました。さすが映画って感じで感動しました。

全くの余談ですが、作中「国道まで〜云々」ってセリフがありましたが、あれって「県道」の間違いじゃないですよね?だってど田舎っぽくないよね「国道」だと。やっぱり「県道」でしょう。国道まで行くならもっと時間かけなきゃ(笑)。

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『デス・プルーフinグラインドハウス』感想

Deathproof2もちろんUSAバージョンも観てますが。

長くなった分、話しとしては分かりやすくなってます。細かなエピソードも入っているので全体の流れは掴みやすくなってます。ただ、その分、勢いは削がれてますね。細部に神が宿るのは分かるけど、“グラインドハウス”というコンセプトでいくならUSAバージョンの方が面白かったかな。

もちろん単独の作品として見れば、こちらの方が完成されているんだけど、ラストの衝撃度を優先するなら、ちょっと長いかなと思う。しかし、それでも、こんなクレージーな映画はそうざらには無いので、是非シリーズ化を。

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2007.09.15

『街のあかり』感想

Machinoakari2これほど何のケレン味もヒネリも仕掛けもない作劇で、これ程味わい深い作品を作れる監督もそうざらには居ないだろう。去年のカンヌ映画祭だったかで上映された時に、記者会見でただの酔っぱらいのおっさんに見えたアキ・カウリスマキ監督だが、やはりただの酔っぱらいとは一線を画しているようだ。

街のあかり』。いやホント、恐ろしい程真っ直ぐ。シンプル。ただ淡々と物語は進行していくのです。起こったことを順を追って。そこにはほとんど映画的作為を感じさせるものはない。あるのは哀愁に満ちた人間達とそれを正面から捉えるカメラの目。良くも悪くも飾らない人間の営みとそこか湧き出てくる様々な感情を、こちらに押し付けるのではなく、自分の裡からにじみ出るように喚起させる。これぞ映画力。

にしても、ヘルシンキって街はあんなにもスモーカー天国なんですかね。映画館でも刑務所でも煙草吸ってるし、ほとんどのシーンで煙草が登場。カウリスマキ作品にはタバコは欠かせないものなんですけど、これだけスモーキーな作品ってありましたっけ。世界的に禁煙ブームなんで余計に目に付いたのかしら?
少し前に、ハリウッドでたばこシーンがレイティングの対象になるかもといったニュースが流れてた気がするけど、カウリスマキの作品はハリウッドでリメイクされる危険性がかなり減ったってことかいな。よかったよかった。

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『トランスフォーマー』『ベクシル』感想

Transformers2Vexille2
やっと観てきました『トランスフォーマー』と『ベクシルー2077 日本鎖国ー』

トランスフォーマ』は思ってたより大味でギャグ満載でした。もちろんハードな破壊&バトルシーンがメインにあるわけで、それとユルいお笑いの部分が適度に混合して、飽きさせることなく見せてくれます。しかし個人的にはもっと贅肉を削ぎ落とし、硬派な作りにして全体を締めて欲しかったと思います。

それと日本語吹き替え版で観たせいか、元々のマンガを知らないせいか、ストーリー展開がよく分からない部分があって混乱しました。特にラスト。何で主人公がキューブを持って逃げるのか?とか。

まあ、これだけの映像を観せてくれたんでお腹いっぱいって感じで、細かいことはいいかって思わさせられますけどね。

ベクシル』は思ってたよりハードな内容で面白かったです。アクションもそれなりにかっこ良かったですし、ドラマ的にもなかなか面白かったです。と、全体的にそこそこ気に入ってるんですが、細部をもう少し詰めれればもっと良かったと思います。

何故、どのようにして鎖国後の日本が、つまりバイオ・テクノロジーとロボット産業がそれほど危険視されるようになったのか?日本の鎖国の具体的な状態はどのようなものなのか?等々日本と世界の対立の構図が不鮮明なので、画面の危機感が十分にこちらに伝わってこない。それがもったいない。もう少し日本のデストピア過程も見せて欲しかったし。

それとラストがあまりにもあっけない。それまであれだけのバトルを繰り広げてきたのに、最後の最後があれだけじゃガックリです。お話的にもカタルシスが得られない。それでも最近のSFアニメでは上出来の部類ではないでしょうか。

あー、でも黒木メイサの声はちょっと違ってない?

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『ワルボロ』感想

Waruboro2すみません!!完全に勘違いしてました。「原作:ゲッツ板谷」のゲッツで、あの「ゲッツ!」のお笑い芸人のことだと思い込んでいました。映画が終わって帰って公式サイトを見るまでず〜と。あっちはダンディ坂野でしたね。ははっははは・・・・。
ダンディは出身は石川県なのに何で立川なんだろ?“自伝的小説”だから微妙に変えてあるのかな?なんて観る前は思ってて、観てる途中は、あいつって若い頃はあんなキャラだったの?それがお笑いに?なんて思いながら。ゲッツ板谷とダンディ坂野は年も三つしか違わないから時代的にもそんなに違和感がなかったしね。

まあ、そんなことはいいとして、映画は面白かったです。よくある悪ガキものって言えばそれまでですが、キャラ的にもアクション的にも楽しめましたです。ピエール瀧、仲村トオルがいい味出してましたし。

ただひとつ気になるのが「立川」特に「錦町」をあれだけボロカスにけなしててどこからかクレームはこなかったんですかね。まあ、今の立川ではなくて昔の立川のことですから別に構わないのかもしれませんが。
時代的にはもう少し後ですが、自分は府中に住んでたので立川へは乗り換えを含めて時々行ったことはあるのでそれなりの親しみを持ってただけにちょっとショックでした。

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2007.09.13

『ウィッカーマン』感想

Wickerman2一応、オリジナル版は日本での劇場公開の時に一度観てますしDVDも持ってます。でも詳しい内容はほとんど覚えてません。そんな状況での鑑賞でした。

結論:意外と面白いではないですか。楽しめましたです。

アメリカでは第27回ラジー賞にも多数ノミネートされてたし(受賞は無し)、あんまりいい評判も聞かなかったので、ほとんどオリジナル版のファンとしての義務感から観に行きました。まあそおいうダメ元覚悟で行ったせいもあるんでしょうが、そんなに言う程悪くなかったです。

オリジナル版は1973年の作品で、日本での劇場公開は1998年。内容もそうだが、その時間差が“カルト”と呼ばれるようになった一因でもあろうし、また、オリジナル版と同じようにリメイクしても今の時代ではインパクトが無いのも確かだろう。

で、リメイクでは設定やストーリーをかなり変えてある。オリジナルのカルトたり得た部分を削り、普通のサスペンスミステリーに仕上げてある。そこが評価の別れるところなのだろうが、自分としてはフツーに楽しめた。

下手にオリジナル版的な妖しげな雰囲気を残そうとしたのは余計だったとは思うが、それが無ければリメイクの意味がないってことにもなるし、だからリメイクしようとしたこと自体がそもそも間違って、あ、いや、それを言ってしまうと身も蓋もないので・・・。

んなこと言ってたら、オリジナル版のロビン・ハーディ監督自身が『ウィッカーマン』を“リ・イマジニング”するそうです・・・。うーん、どうなんでしょうね。

オリジナル版監督による“リ・イマジニング”「ウィッカーマン」、9月撮影開始へ(allcinema ONLINE:2007/08/06)

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2007.09.11

『遠くの空に消えた』感想

Tokunosora2結論:行定勳監督にはファンタジーはまだ早かった。

それにしても不可解な作品でした。“信じ続けるパワー”なんて全然感じられないし。時々出てくるロシア語らしきものや、無国籍性を出したい意図は分かるけど、遠くに見える風景は思いっきり日本の片田舎のものだし、精霊?らしき老人二人の存在も中途半端だし。それに一体誰ですか?突然ラストに小日向文世と鈴木砂羽と一緒にいた女の子は?

クライマックスも、あれのどこが奇跡なのかもさっぱり分からん。スケールちっちゃ過ぎ。致命的なのはそもそもの「空港建設反対」が全然反対運動になってないというか対立の構図が描かれてない。三浦友和を出す為の手段でしかない。だから子ども達の行動にも全く必然性が感じられない。

ネタを散りばめるだけ散りばめたけど、どれも収穫できずに腰砕け。唯一の収穫はバーで働いていた背の小さい女の子。風琴工房というとこの笹野鈴々音という女優さんらしい。エンディングロールで名前を見たとき、笹野という名字からささの友間くんと同じく笹野高史さんの娘さんが出てたのか?と思ってしまいました。失礼。っていうか頑張った役者さんたちに失礼でしょう、監督。兎に角、彼女には要注目!

笹野鈴々音の投稿デビュー。 (ORGAN DAYS)

笹野鈴々音(cinra -特集vol.16「役者」)

笹野 鈴々音 プロフィール -krei-

風琴工房web

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『シッコ』感想

Sicko2今回はテーマが「医療」ということで、日本人にとっては今までのムーア作品の中では分かりやすい方でしょうね。誰にとっても無縁でいられない問題だしね。

そして今回、今までと大きく違うのは“アポ無し”がほとんど無いこと。つまり保険会社等へのインタビューがない。敢えてしなかったそうだが。

この作品を観る限り、アメリカでは本当に病気やケガをしたくないと思う。そして日本も保険会社の不払いや年金問題等、国民の為の制度じゃなくて権力者や金持ち大企業が自分たちの金儲けの為に作った制度に国民が泣かされている現状では、お先は暗いと言わざるを得ないね。怖い怖い。健康第一。

追記:その『シッコ』が全米のドキュメンタリー映画史上3番目の収益を上げたそうです。それにしても『皇帝ペンギン』もすごいなぁ。

マイケル・ムーアの『シッコ』、米国で史上3位のヒット作に(マイコミジャーナル:2007/09/12)

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2007.09.03

『サッド ヴァケイション』感想

Sadvacation2 9/8(土)公開で、現在行われているヴェネチア国際映画祭でも上映される『サッドヴァケイション』。試写会で観ました。

Helpless』ミーツ『EUREKA  ユリイカ』みたいなわけですが、単独作品としても成立しているのでこれだけ観ても十分楽しめ?ます。まあ、両方観ている人間としては、『Helpless』は観ておいても損はないかな、と。『EUREKA  ユリイカ』は特に観てなくても問題はないかな、と。まあ、これは自分が『EUREKA  ユリイカ』の部分をほとんど分からなかったって意味ですので、『EUREKA  ユリイカ』を観ておいた方がより面白く観れるのは間違いないと思います。でも比重的には『Helpless』の方がメインな話しなので、『EUREKA  ユリイカ』が長いと思いの方は『Helpless』の方を観ることをお勧めします。でもレンタルしてないとこもかなりあるようなのでご注意を。

冒頭の荒れて殺伐とした画面は『Helpless』を彷彿とさせる。それに続く空撮のシーンが(『Helpless』の冒頭も同じような空撮ということで)それを物語る。そしてその後の“健次”が歩き出す。しばらくは割と淡々と、これまでの青山作品っぽい画面が続く。それが、母親役の石田えりが現れてから微妙に雰囲気が変わってくる。今回の作品に関して頻繁に語られる“母性”の本丸の出現だ。健次は自分を捨てた母親への復讐を企てる。

まあ、話しは観てのお楽しみってことですが、これは観る人によってかなり印象が違うのかしらん。男と女。その人の母親との関係etc。監督とのティーチイン付きの試写会で観たんですが、女性の方が「癒しを感じた」みたいな感想をおっしゃってて、監督も特にそれを否定しなかったし、監督自身が「自分も結婚して考え方が変わった云々」みたいなことを言ってましたし。

でも、普通に観ればこれはかなり“ホラー”だと思うんですがね。怖いですよ、石田えり。親不孝者でごくつぶしで独身の男からみればかなり怖い。チラシの裏に「“北九州サーガ”の集大成は“やさしさ”」って言葉が書いてあるけど、そんな“やさしさ”はご勘弁って感じ。まさに釈迦の掌の上の猿って感じで、全てが徒労に終わる無力感と苛立と諦め。それが“やさしさ”であるなら俺は更に遠くへ行くか、さもなければ完全に降伏するしかない境界。しかしやさしさ(母性)というエゴが全てを笑い飛ばす。

足掻けばあがくほど健次の姿は滑稽で、『Helpless』との差異を顕著にしていく。物語の最初と最後では同じ作品とは思えない違いがある。それが監督の狙ったものなのかどうかは別として、今までにない青山真治作品を形作っているのは確か。

<見所その1>光石研と斉藤陽一郎の漫才?シーン。台本はほとんどなかったそうです。光石研さん、最高。

<見所その2>間宮運輸の川津祐介と嶋田久作。川津さんの渋さとほとんどセリフのない嶋田久作の不思議な存在感。

<見所その3>監督の奥さんのとよた真帆が妊婦役で出てます。これってリアル妊娠?なわけないか。

<参考記事> ◆石田えり本音トーク全開! “邪悪な女”と“理想の母親”どちらに見える?(cinemacafe.net)

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