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2007.08.31

『インランド・エンパイア』・USAバージョン『グラインドハウス』

Inlandempire2Grindhouseusavr_2

映画とはこんなにも好きに撮っていいものなのか!と思わせてくれる二作。しかもどちらも3時間超え。二日連ちゃんで観たのでいささかヘヴィーなれど心地よい疲労。

多様な解釈を許容しつつも、リンチ本人の頭の中では確実に繋がっている一本の線。その線を辿り、自らの思考をリンチ化し、自らもその物語の登場人物たらんとすることがリンチファンの至上の喜び。しかし所詮他人の脳の中に入ることはできず、我々はその投影物たる映像に対し勝手な想像と妄想と願望を巡らせるのみ。それでもそれがリンチワールドに囚われた者の快楽とすれば、我々はそこに身を委ねるしかないのか。

存在そのものが「映画」的なリンチに対し『グラインドハウス』は(B級)映画への愛に満ちた作品。がしかし、ここに普通の映画的なものを求めてはいけない。あくまでも“グラインドハウス”という映画に向けた愛の作品だから。ストーリーの整合性や細かい辻褄は関係ない。その暴力的な映画の勢いと行き当たりばったりの展開に笑い驚き歓声をあげて楽しむ。そう、タランティーノとロドリゲスの横暴に身を委ねるしかないのだ。それとフェイク予告編を作った他の三人の監督の横暴にも。

USAバージョンは『プラネット・テラー』と『デス・プルーフ』の二本立てという仕様だが、劇場公開の都合上カットせざるを得なかったシーンがあり、そのシーンを復活させ再編集しアメリカ以外の国で単独公開されるのがディレクターズカット版の『プラネット・テラー in グラインドハウス』と『デス・プルーフin グラインドハウス』だ。USAバージョンよりは時間も長く、編集も変わってるらしいのでこちらも楽しみだ。

*アメリカのグラインドハウスの上映の仕方は知らないが、せっかく日本で上映するなら日本的二本立て上映のように途中に5分くらいの休憩を入れて欲しかったなあ。

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2007.08.30

『キャプテン』感想

Captain2 予告編を観た時は「これは違うなあ・・」と思ったが、ほとんど懐かしさだけで観に行った。やっぱりかなり違和感はあったが、まあ、これはこれでいいのではないかと。

前半のわざとらしくオーバー気味の演出に苦笑しつつも、話しが進むにつれてそのストレートな内容に引き込まれていったのも確か。やっぱり応援しちゃうよね。

谷口はちょっとテレ過ぎ。イガラシは漫画のイメージとは違うがキャラとしてはよかった。もう少し墨谷二中の他のメンバーの努力する姿も描かれていればもっとよかった。全体的に時代を感じさせない作りを心がけてたと思うんだが、小林麻央のスカートだけが現代っぽくなかったか?宮本和知はいらなかったでしょう。

ちょっと続きを観たくなった。

『キャプテン』公式サイト
メッセージがおもしろい。

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2007.08.29

『フロストバイト』『ブラッド』感想

Frostbite2Blood2

ここ最近ホラー映画の聖地となりつつあるシアターNからヴァンパイアものを二発。

フロストバイト』はスウェーデン初の本格的なホラー映画。ということも注目だが、個人的にはやはり“ロッタちゃん”ことグレーテ・ハヴネショルド(ちゃん)がヒロイン役で出ていることが一番の楽しみ。いや〜なかなか美しい女性に成長しておりました。きっと結んだ口元に幼い頃の面影が感じられました。

映画の方は、長編デビュー作(アンダシュ・バンケ監督)ということもあってか習作の域を出ないって感じで、色んな要素を詰め込んではあるがそれらがうまく絡み合ってないっていうか、消化不良っていうか、そんな感じです。それでも何かやろうって意気込みは伝わってくるし、ユーモアの感覚も悪くないと思います。まあ今後を楽しみにしましょうってことで。

一方『ブラッド』はサム・ライミのゴースト・ハウス・ピクチャーズの作品で『ゴシカ』や『スネーク・フライト』の脚本を書いたセバスチャン・グティエレスって人が監督。ハリウットリメイク版の『the EYE[アイ]』の脚本も書いてるらしい。で、この作品は『スネーク・フライト』的なお馬鹿系ではなく、『ゴシカ』的なシリアスドラマ路線。ヒロインのルーシー・リューがヴァンパイアになってしまい、自分が生きる為に人間の血を吸わなければならないことに苦悩するお話。そして復讐。そこにヴァンパイア化した娘をルーシー・リューに殺された刑事がからむ。話しとしては面白いが、全体としてのスケール感に欠ける嫌いがある。ヴァンパイアの世界がいまひとつ広がりがないというか歴史が感じられないのが残念。でもルーシー・リュー的にはかなりいい出来ではないだろうか。

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2007.08.26

『呪怨-パンデミック-』

Thegrudge22試写会で観たので選べなかったが、日本語吹き替え版での鑑賞です。ハリウッド進出ではパン・ブラザースやアンドリュー・ラウの先輩にあたる清水崇監督。ゴースト・ハウス・ピクチャーズの作品ではないがプロデューサーとしてサム・ライミが名を連ねてます。米国リメイク版『呪怨(The Grudge)』の続編なんで日本のとは一応関係のない作りになってます。っても全部観てきてる人間にとっては、どれがどうでこうでなんて区別は、もう一緒になっちゃってるんで全然分かりません。

過度の恐怖が笑いになるっていうのは分かりますが、このお笑い芸人達を多用した吹き替えは何なのだ??最近お笑い関係者の声の起用が多いとはいえ、どう観てもなだぎ武と友近の「ディラン&キャサリン」が受けてるのを前提とした起用で、いつ画面から笑い声が聞こえてくるかとヒヤヒヤした。いや、実際にそんな演出であってくれた方がどんなに救われたことか。物語も間延びした展開で怖くもなんともないし。壷を押さえた作りと言えばそうだが、それ以上でも以下でもないところが残念。それが吹き替えのせいなのか作品自体の問題なのか・・・。いや、ある意味この日本語吹き替え版は将来的にはカルト作品となる可能性は秘めている。それは確か。

で、一番気になるのはカヤコの母親とオーブリーが一体何語で会話したのか。吹き替え版では日本語の会話だったが、それは普通あり得ないでしょ。オーブリー、日本語しゃべれないし。ではカヤコの母親が英語を話したのか?うーん、やっぱり字幕版も観ろってことか・・・。

しっかしエディソン・チャンもとんでもない作品でハリウッドデビューしたものだ。まあ、これは極東のいちホラー映画ファンとしての独り言として。

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『ゴースト・ハウス』『リサイクル』『消えた天使』『ドッグ・バイト・ドッグ』

Ghosthouse2Recycle2

パン・ブラザースの2作品。『リサイクル-死界-』は凄かった。確かに視覚的には『サイレントヒル』的な部分はあるが、それはこの作品のテーマを考えればまあ瑣末なことだろう。それよりは『パプリカ』の方に感じは近いか。パプリカを実写にしてよりダークにした感じ。主人公(アンジェリカ・リー[The EYE])の異界巡り。そのイメージに酔え。

それに比べればハリウッド進出作『ゴースト・ハウス』の何とぬるいことか。全米初登場1位は獲得したし、そのそつのないオーソドックスで手堅い作りは認めるものの、あまりに優等生的で牙をもがれた感じだ。典型的なホラー映画のフォーマットに流し込んだだけ。これでは彼らが撮る意味がまったくない。それに邦題もひどすぎる。ゴースト・ハウス・ピクチャーズの『ゴースト・ハウス』って洒落のつもりか?原題の『The Messengers』の方が作品の内容を表していて全然いいのに。配給会社には猛省を促す。


Theflock2Dogbitedog2

こちらもハリウッド進出作の『消えた天使』byアンドリュー・ラウ(『インファナル・アフェア』)。前半はサスペンスタッチで進むものの、終盤にはかなりゴアな展開に。リチャード・ギアのちょっとくたびれきった感じの中に時として見せる切れ具合がなかなかよかったが、こちらもハリウッドってことで変更をかけられたか自粛したのか、香港で撮っていれば絶対こんな結末にはしなかったっというラストでした。DVDが出る時は別エンディングが付くでしょう。それにしてもアンドリュー・ラウ監督は格言というか警句が好きですね。『インファナル・アフェア』は仏教からで今回はニーチェから「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」。まあ、よくあるテーマですけど。

そのインファナル・アフェアシリーズにも出ていたエディソン・チャン主演の『ドッグ・バイト・ドック』はこれぞ香港映画って感じの、これでもかって程に前に前に進んでいく男たちの痛すぎる闘いだ。久々のサム・リーが乱杭歯むき出しで叫びまくる姿が強烈。監督(ソイ・チェン)によるとこれは「サバイバル」の物語らしく、それはラストに集約されているのだが、それにしてはヒロイン?の位置付けがいまひとつ弱い。あと、ほくろ毛のラム・シューおじさんの活躍をもっと見たかったぞ。

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