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2007.05.07

『リンガー! 替え玉★選手権』『パラダイス・ナウ』感想

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両者ともタブーに挑戦ってとこでしょうか。『リンガー!』は健常者が知的発達障害者のふりをして金を稼ごうという話し。『パラダイス・ナウ』は自爆攻撃(自爆テロとは呼ばない)に向かう二人のパレスチナの若者の話し。

どちらも我々一般的な人間には、こちらから求めない限り、ニュース等の一方的なマスコミ報道を通してしか情報が入ってこないのが現状。実情を知るには当事者たちに接するしかない。そうして出来上がった作品にはそれ相応の説得力とインパクトがあります。

と、小難しいことを言わないでも『リンガー!』は純粋に笑えて楽しめますし、その主張もあくまで控え目で押し付けがましくありません。それでいて感動も与えてくれます。清濁混ぜ合わせて笑いで包む。この辺が今の日本では一番難しいジャンルかもしれませんね。

一方の『パラダイス・ナウ』はある意味、日本が一番近しい立場にある(あった)作品ですよね。神風特攻隊。監督も特攻隊員の残した手紙を参考に読んだといいますし。日本に於いてはどうしてもアメリカ寄り=イスラエル寄りの報道になるので「自爆テロを受けた」って表現になりますがね。そりゃあ一般人を巻き込んでの自爆は(当然そうと知ってての自爆ですから)容認し難いものがありますが、そこまで事態が追い込まれているパレスチの現状があるってことを知ることも大切なのではないでしょうか。(映画ではその辺をもう少し描き込んで欲しかったけど)
それにこの作品が”自爆攻撃を正統化”してるようには見えませんしね。(アカデミー賞の受賞式前にノミネートから外すよう署名運動が起きたそうです。)ちゃんと自爆させる側の矛盾(殉教者の写真やビデオが販売されてたりする)や死にに行く人間の苦悩も描いてますしね。だからこれはフツーに優れた青春映画でもあるわけです。そこから何を汲み取るか。監督の問いかけにどう答えるか。それが我々の課題であろうし将来への希望であるのか。

惜しむらくは、これらの作品たちが極めて限られた劇場でしか上映されていないことである。

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