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2007.01.29

『エレクション』を観てきました。

Election2_1ジョニー・トー監督のファンなので評価は甘めかもしれませんが、面白かったです『エレクション』。香港最大のマフィアの会長の座を選挙で争う二人のリーダーの戦い、という派手なのか地味なのか分からない題材ながら、お得意のドンパチ銃撃戦を一切封印し、男たちの欲望と意地とメンツと生活を賭けた激しいぶつかりあいをこれでもかと描いた力作です。登場人物が多くかつ入り乱れるので人物関係が途中から分からなくなっちゃうのが難点ですが、それを補って余りある魅力的なドラマとキャストたちのアンサンブルの作品です。
既にパート2も制作されていて、日本では去年のフィルメックスで1と一緒に上映されてますね。早く一般公開されないですかね。

TOKYO FILMex ブロードキャスト
『エレクション2』の映像が観れます(全6本)

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2007.01.28

義手対決は百鬼丸だがエンタメ的には肉鈎

Seenoevil2Dororo2

<昼>
シー・ノー・イーヴル』は確かに正統派スプラッター。エロはほとんど無いが、グロさは直球勝負。悪ガキたちはパターンだし、殺人鬼の生い立ちも定番的で全体に新鮮さは無いが、ツボを押さえた演出には安定感がありテンポもよい。個人的には義手の警官のおじさんにもっと活躍して欲しかった。百鬼丸のように中に得物を仕込んであるのかと期待してたのに。
『デビルズ・リジェクト』や『ホステル』で盛り上がった感のあったシアターNのホラーシリーズですが、今回は空いてて寂しかったっす!

<深夜>
どろろ』。昼間観た『シー・ノー・イーヴル』とは義手と目ん玉取り出しで繋がった。ははは。それにしても予告編から覚悟はしてたが、やはりかなりキツかった。春先にCSでやってたアニメ版のどろろを見ていたため、どうしても比較してしまうのもあるが、それは仕方がないことなのでご容赦あれ。で、以下ダメだった点。

  • ギャーギャー五月蝿いだけの柴咲コウ
  • 着膨れしている妻夫木聡(百鬼丸としてはそれなりに)
  • 全然なじんでないCG
  • どろろと一緒の犬(シロだっけ?)がいない
  • 中盤の間延び
  • スケール感がなく格好悪い城(どうせなら動かせ!)
  • 主題歌(ミスチルのエンディングの曲)

それだけじゃあんまりなので良かった点も。

  • ニュージーランドロケ
  • 異国情緒あふれる町?(百鬼丸とどろろが出会う町)
  • 中井貴一
  • 音楽(BGM)

果敢に実写化に挑んだスタッフ&キャストの方々には敬意を表しますが、結果出来上がったものでしか観客は判断できませんので。エンターテインメント作品を目指したようですが、監督の描きたかったテーマがエンタメ的にうまく取り込めてないというか、そこにくると流れが止まるというか。2時間以上あるんだからもっと観る側を引き込んでくれないと。『どろろ』より長い『それでもボクはやってない』の方が長さを感じなかったですわ。

前から思ってることですが、漫画や小説やアニメの既存の資産を食いつぶすより、オリジナルな企画にお金を使って下さい。さもなくばきっちり全部映画化するか。すでにある長いものを短くするのは削る(=マイナス)作業です。そおいうところに貴重な才能を使うのはもったいないと思うのです。お願いします。

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2007.01.27

『ラッキーナンバー7』を観てきました。

Luckyno72終わってみればそれしか無いような結末というか、話しなんですが、観てる間はそれなりにスリリングで、ラストに向かって一つずつパズルのピースが嵌っていく面白さはあります。予告編からはコメディタッチのサスペンスかと思っていたのですが、かなり陰惨な話しでした。まあ、前半は確かにコメディタッチなんですけどね。

構成や展開はかなり考えられているとは思いますが、話しの中身が何だか物足りないというか、薄っぺらな感じで、せっかくの構成の妙が十分生かされてない感じです。遠くから見ると複雑に絡まっているように見えたツタが実は単に前後左右に重なっていただけだった、みたいな。
それと観客が”謎”に感じる部分が無いのかな。巻き込まれ型の話しかな、と思って観ていると、あれ?そうでもないぞ?何んだ、これ?となるんだけど、そこから謎が深まることがなく、そのまま謎解きに入っていってしまい、そして最初に用意した器にきれいに収めてしまっている。登場人物達も劇中に出てきたチェスの駒のような印象。もったいない。

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2007.01.26

『それでもボクはやってない』を観ました。

Soreboku2観てきました。周防正行監督の『それでもボクはやってない』。怖いですねぇ、恐ろしいですねぇ。他人事ではありませんねぇ。満員電車にはもう乗れませんねぇ。裁判・冤罪・警察etc。一歩間違えれば明日はわが身ですからね。可笑しいシーンもあるんですが、笑うに笑えませんでした。素材が”痴漢”という身近なものだけに余計にリアルに感じたのでしょう。本当に自分は無罪だとしてもあのように主張し続けるだろうか?これから始まる陪審委員制度<裁判員制度>では余計に”心証”という点に重きが置かれそうだし・・・。裁判所とは本当に何をするところなんでしょうかね?

ひとつ疑問に思った点が。予告編では主演の加瀬君が裁判長席の方に向かって駆け出していくシーンがあるのですが、本編ではそれらしき場面がなかったのですが、カットされたんですかね?予告編を見た時から楽しみにしてたシーンだけにとても残念な気持ちでした。もし自分が見逃していたとしたらお詫びしますが。

[追記]上の文章で訂正してありますが<陪審制度>と<裁判員制度>は別のものなのですね。今度日本で始まるのは<裁判員制度>。アメリカなどで採用されている<陪審制度>とは判決に対する裁判官関与や量刑の判断の有無の点で違うようです。その他<参審制度>というのもあるんですね。詳しくはこちらをどうぞ。

それにしてもこれで自分も”裁く”側に回る可能性が出てきたってことですね。人が人を裁くことの傲慢さ。裁かれることの不合理さ。それでも法治国家として人が人を裁くしかない現実。なのに肝心の司法のシステムが硬直化し、権力に追従せざるを得ない現状。せめてこの映画の冒頭と最後に掲げられた言葉を忘れないようにしたいと思います。

[追記2]そう言えばフリッツ・ラングの『条理ある疑いの彼方に』を観た時も同じような恐ろしさを感じました。でもこれってDVD化されてないみたいですね。残念!

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2007.01.23

マリー・アントワネットの悪夢

Marieantoinette2Darwinsnightmare2


マリー・アントワネット』はソフィアちゃんのオリジナルな視点というのは分かるけど、だからどうなのよ?っていう疑問が止まらない。青春映画ってことでもいいけど、キルスティン・ダンストがとても14歳から37歳の年月を過ごしたように感じなかったんですが・・・。時代背景をしっかり理解していて作品の背後に隠された個人と歴史の関わりに思いを馳せられればもっと味わい深い作品と感じられるんでしょうが、どうもそこまで自分の理解が及ばなかったようです。

ダーウィンの悪夢』は、まさに今、進行しつつある現実を淡々と語る。余計なナレーションも音楽も一切なし。それだけに正直言って観てる間は少々眠気を催しもしたが、内容自体は恐ろしいの一言。冷徹な経済原理が、この地域を全世界的な市場経済の拠点として、食料問題から民族紛争にまで巻き込んでいく。人が、食べなければ生きていけないように、強者は弱者をとことん喰い尽くす。そしてそこに群がる蛆虫たち。もはや知らなかったでは済まされない地点をとおに過ぎている。”20%の人間の幸福が残りの8割の人の命と引き換えられてる”(byパブリック・エネミー)と歌ってたのはビブラストーンでしたね。

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2007.01.20

悪夢探偵はパプリカ。龍平ドラゴンはモンスターハウスの悪夢を孵す。

Paprika2Akumutantei2

Monsterhouse2Eragon2

松田龍平より『悪夢探偵』っぽいパプリカちゃん最高。塚本晋也監督の『悪夢探偵』は”悪夢”というよりトラウマ対決。どっちのトラウマが強烈かを競ってる。まあトラウマが悪夢になって現れるって考えればそれでいいのだろうが、”夢”って感じがしないのは残念。病気自慢みたいなもの。『CURE』と『四人の食卓』それに前作『HAZE』とも重なる部分がある。『SAW』も入ってるか。ていうかよくある話し。でも得意のこけ脅し的音響&映像で、CGやVFXに頼ることなくそれなりの迫力を演出しているのは流石。オリジナルナにこだわり、いい意味で手作り感が残る作風は好きです。ただ、主人公の設定は面白いけどテーマや素材に目新しさがないのだから話にもうひと捻り欲しかった。役者塚本晋也は今回はやや控え目ながらも、美味しいところはちゃんとパワー全開でよかったけどね。シリーズ化を狙ってるらしいので今後に期待。

龍平ならぬもう一つのドラゴンの『エラゴン』。今更指摘するまでもなく三番煎じもいいとこの話しなんだから、もっともっと何か仕掛けを考えないとダメ。それなのに世界観をじっくり感じさせる演出もなく、薄味で大味のジャンクフードみたい。孵りたてのドラゴンがとっても可愛かったのにあっというまに大きくなっちゃうし!!

意外に(失礼!)面白かったのが『モンスターハウス』。ホラー感もありドラマもあり楽しめました!

『パプリカ』は去年一度観てるけど、面白かったので最度鑑賞。やっぱ面白い。最後が駆け足的で雑な感じはするが、まあよしとしましょう。

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2007.01.17

最近観た映画たち〜ミスコンとか戦争とか精神病院とか続編とかねことか。

Littlemisssunshine2_1Lunacy2_2
Iwojima2Nana22


Komaneko2

Invisible22_2ここ最近観た映画たちです。一番面白かったのはやはり『リトル・ミス・サンシャイン』ですね。全体のバランスといいキャストの面白さといい、ピカイチでした。

久々のヤン・シュヴァンクマイエルの『ルナシー』もいいですよ。ただ個人的にはもう少しアニメ部分が欲しかったのと、精神病院が舞台にしてはもうひと捻り欲しかったかなぁという思いがありました。

『硫黄島からの手紙』も確かによかったんですが、何か優等生過ぎで出来過ぎって感じもして少し引いてしまいました。個人的には前作の『父親たちの星条旗』の方が好きかな。

『こまねこ』はもうシネマライズで短編上映してた時からのファンなので、ええ、もう、感激です。

『インビジブル2』はバーホーベンが監督じゃないけど一応”製作総指揮”ってことなのでそれなりに期待してたんですが、何だかもう縮小再生産もいいところで、どこが見所かさっぱり分からず、困りました。3への橋渡し?

同じく2ものの『NANA2』。どうしても宮崎あおいちゃんの前作と比べてしまわれる市川由衣ちゃんも可哀相だと思いますが、それも試練と耐えるしかないのよね。しかし物語の中心を彼女にもってきたのは明らかに失敗でしょう。監督の演出なのかどうかは分かりませんが、しゃべり方とかあおいちゃんの真似のようにしか見えず、あの複雑な役をこなすにはやはり無理があったようです。まあ、あおいちゃんなら出来たと言い切ることはできませんが、持っている雰囲気からして違うんだから、市川由衣なりのハチを作らなきゃねぇ。あれじゃあただのイヤな女にしか見えませんて。原作漫画は読んでないので映画にどれだけのオリジナルな部分があるのかは知りませんが、やはり中島美嘉をメインに持ってくるべきではなかったでしょうか。

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2007.01.10

『酒井家』V.S.『犬神家』

Sakaiinugami酒井家のしあわせ』を観たので”家”つながりで『犬神家の一族』も観た。当然ながら”犬神家”の方が殺伐として救いがなかった。でも映画としては『犬神家〜』の方が面白かったのは、比べる方が間違ってるか。

『酒井家〜』は途中(赤井英和のシーン)までは、先日観た『イカとクジラ』に似た展開で、ひょっとしたらなかなかイイ線いくんじゃないか!?と期待が膨らんでたんですが、残念ながらそこから失速していって再び飛び立つことはありませんでした。ユースケのあの設定と態度にはかなり無理がありますよ。もっと脚本を練らなきゃ。これが2005年のサンダンス・NHK国際映像作家賞日本部門を受賞したんですか?ちょっと泣きを狙いすぎてませんか?もう一気にドッチラケで冷めてしまいました。それ以外は割とよかったんですがね。濱田マリ、谷村美月、本上まなみ、仁鶴師匠、山田スミ子、etc脇は充実してて面白かったし肝心の酒井家もユースケ以外はよかったのに、残念。

『犬神家〜』は30年前のは劇場で観た記憶はないので、多分テレビで観てるんだと思います。でも全然中身は憶えてませんでした。それでも当時の雰囲気をある程度知ってる人間としてはなかなか楽しめました。今となれば大仰で大雑把ではあるけど、それがいい味を出してます。でも初めて観る若い人たちってどう思うんでしょうかね。客席はガラガラでした。

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2007.01.08

『プレスリーVSミイラ男』を観る。

新春第二弾にふさわしくイカとクジラの戦いに続くのは「プレスリー」と「ミイラ男」だった!!このB級センス溢れる新春初笑い的日本語タイトルだが、原題もBubba ho-Tep”ババ・ホ・テップ”という関西人が泣いて喜ぶタイトルだ。監督はあのドン・コスカレリ。主演はあのブルース・キャンベル。これだけでもうホラーファンは観ずにはいられないだろう!?しかも脳みその一部が砂袋に入れ替えられたジョン・F・ケネディ付きだぞ。どうだ参ったか!

Bubbahotep で、観ても何かいいことがあるわけではないし深く考えさせられることもない。が、何か今年一年も頑張ろうという気持ちにはなれる。うん。少なくともイカとクジラの戦いよりは潔くて爽快だ。いや、別にイカとクジラの戦いがどうこうってのじゃなくてね。あれはあれでアリだから。

チラシ及び公式サイトによると、今作品はブラム・ストーカー賞の脚本賞を受賞し、USコメディ・フェスティバルでは最優秀主演男優賞&最優秀脚本賞を受賞してるそうだ。しかももう続編の製作も決定だそうだ。今度の相手は吸血鬼ノスフェラトゥらしい。瞠目して待て!!

『プレスリーVSミイラ男』公式サイト
*上映は1/12までだ。乗り遅れたくない奴は劇場に急げ!

そうそう、ドン・コスカレリと言えば一般的には『ファンタズム』らしいが、自分にとっては『誰よりも素敵なジム』なんですよね。まだ上京して間もない頃、今は亡き旧文芸坐でぴあの主催でやってたフェスティバルで、当時人気の出てきた監督の(商業的?長編?)デビュー作の特集上映をやってて、そこで観たのが『誰よりも素敵なジム』。同時上映は『ダーク・スター』(ジョン・カーペンター)と『シュロック』(ジョン・ランディス)。今となっては貴重な体験でした。

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『イカとクジラ』を観る。

今年最初の一本は『イカとクジラ』でした。スゲー久しぶりに新宿武蔵野館に行きました。隣でやってた『プラダを着た悪魔』は満員でしたがこっちはほどほどでした(でも前の回はかなり入ってた模様)。

事前にかなり情報を仕込んでいったおかげで楽しめました。そうでなかったら「?」で終わってたかも。2006年アカデミー賞脚本賞ノミネートをはじめ、既に数々の映画賞の脚本賞を受賞してる作品です。その割に日本での公開が小規模なのはやはりまだ”離婚”がアメリカほど日常化していないせいでしょうか。

まあ、それはいいとしてPG-12だけあって笑うに笑えないけど可笑しいシーン満載で、子ども心にも親心にも共感or痛がる人達は多いのではないでしょうか。スティーブン・キングが2005年のベスト10にこの作品を選んだのは、この話がキング自身の売れない頃を彷彿とさせ(父親が本が売れなくて狂気に陥っていく→「シャイニング」)、とても怖かったからだそうですし。
まあ、正直自分にはそれ程感動的な面白さではありませんでしたが、監督のノア・バームバックは『ライフ・アクアティック』でウエス・アンダーソンと共同脚本を書いた人だということを知れば、何となくその理由も分かりました。

ネタ元(映画秘宝.com「町山智浩のアメリカ映画特電」)

『イカとクジラ』公式サイト

*凝ってるけど凝りすぎて肝心の中身が出るまで時間かかりすぎ。Flash多用の悪例。

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