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2006.10.15

『LOFT ロフト』を観る

久々の黒沢清監督作品。といっても実際に撮影されたのは2年前らしいので”塩漬け”にされてた訳ですね。

<銀ネコ的注目点>:黒沢清監督作品!

<感想>:黒沢清シンパを自任する私ですが、これはもはや・・・。『ドッペルゲンガー』もかなりヤバかったんですが、こちらは更に困ります。率直に言って退屈。何かをやろうとしているのでしょうが、それが観てる方に単純に”おもしろい”ものとして伝わってこない。映画論的にや、批評家的にはすごいことをやってるのかもしれないが、そんなことは監督の頭の中だけでやってればいいことで、それを実際のフィルムに焼き付ける時にどれだけスリリングなものにしてくれるかが観客の求めるもの。解説されて「あ〜、なるほどそういう意味があったんですか〜」ではダメでしょう。もちろんそういう面を持つことは構わないし、それは監督の思想・信条として拝聴するが、結果的に出来上がった作品が頭でっかちでは本末転倒。
以前の黒沢作品は緊張感があり観てて面白いし、色々考える楽しみもあった。でも最近の作品は過去の作品のいいとこを繋ぎ合わせてるだけの感じがする。殺伐とした部屋。意味ありげな装置。唐突な展開・暴力の瞬発力etc。以前は輝いて見えたそれらのシーンや演出が、今では実体を失った亡霊のようだ。それはある意味、監督の理論の実践でもあるのだろうし、何か新しいことへの模索かもしれないが、求心力を持たない物語はただ散漫に拡散するだけで観ててつらい。

中谷美紀・豊川悦司の役者陣も黒沢映画を体現できてるとは思えなかった。特に豊川悦司のラストの(演出だとしてもあまりに珍妙な)ヘタな演技には参ってしまった。黒沢映画の妙のひとつに、リアルを超えてもなおリアルな演技、があるとしても、あれはいただけない。ただ安達祐実の怪演はよかったです。彼女はホラー系でいけますね。

<銀ネコ的小ネタ>:LOFTというタイトルは、最初の設定で中谷美紀が屋根裏部屋に引っ越す設定だったところからきてるそうです。
散々悪口書きましたが、それも期待の裏返しだと思って下さい。来年公開予定の『』はプロデューサーが一瀬隆重さんということもあり、楽しみにしてますから。

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» 「LOFT」:勝どき駅前バス停付近の会話 [【映画がはねたら、都バスに乗って】]
{/kaeru_en4/}濁った川と不気味な森。これは黒沢清の映画「LOFT」の世界だな。 {/hiyo_en2/}「LOFT」に出てきたのは川じゃなくて沼よ。 {/kaeru_en4/}同じようなもんだ。 {/hiyo_en2/}そうね。つまらなかったからどっちでもいいけどね。 {/kaeru_en4/}って、黒沢清の映画だぜ、おもしろいわけないじゃん。 {/hiyo_en2/}何、観たっけ? {/kaeru_en4/}「ニンゲ�... [続きを読む]

受信: 2006.10.15 09:36 午後

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