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2006.02.26

2月映画ランキング(2/25更新)

『タブロイド』
『ミュンヘン』
『忘れえぬ想い』
『シムソンズ』new!
『アサルト13/要塞警察』new!
『クラッシュ』new!
『あおげば尊し』
『拘束のドローイング9』
『最終兵器彼女』
『サイレン』
『ギミー・ヘブン』
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』

上位陣に変化はないものの最近観た作品が固まってランクインしてきました。『クラッシュ』は冒頭から人種差別バリバリ・本音全開で一体どうなっていくのかとヒヤヒヤドキドキして観てましたが、終盤は案外と大人しい着地の仕方でした。特にあのラストにはテーマの重さとの落差が大きく拍子抜け。無理に円環的にする必要はなかったのでは。残念です。

その『クラッシュ』のロサンゼルスに降る雪がデトロイトで猛吹雪になったのが『アサルト13/要塞警察』。ジョン・カーペンターの『要塞警察』のリメイクですがなかなか面白かったです。ストーリーは単純明快で割とよくあるパターンですが、緊張感あるアクションで盛り上げてくれます。個人的には現在ランキング1位の『タブロイド』で主人公を演じたジョン・レグイザモが出ていたこともポイント高し。

偶然にも「雪」繋がりになってしまいましたが、上記2作品を押さえ上位に進出してきたのが『シムソンズ』。トリノオリンピックでは残念ながら決勝には進出できなかったカーリングですが、これはソルトレークオリンピックの時の実在のカーリングチーム「シムソンズ」の実話を基にした青春スポコン映画です。友情・挫折・競技としての面白さetcの基本をしっかり押さえた堅実な作りで、主演の女の子4人のキャラも立ってて面白かったです。北海道を舞台にした映画といえば、の大泉洋やいつも渋い重松豊に脇の定番徳井優らが安定した演技で支えてました。『サイレン』にも出ていた高橋真唯ちゃんが美味しい役でしたね。こういうキャラの方が全然いいじゃん。逆に残念だったのがせっかくの山本浩司くんが全然光ってなかったこと。まあそんなにボケる役でもないので仕方ないのかもしれませんが、一つぐらい見せ場が欲しかった。

今月はヘヴィな作品群が上位にきているので今回は敢えてエンターテインメント系の作品を割り込ませてみました。作品の完成度等を考えれば『クラッシュ』なんかはもっと上位にくるんでしょうが、観終わったあとのトータルな気分とかで現時点ではこうゆう結果になりました。

『シムソンズ』オフィシャルサイト
舞台となった常呂町には映画のキャスト・スタッフの手形が手形柱(常呂町の名物らしいです)に貼付けてあるらしいです。見てみたい。
『アサルト13/要塞警察』オフィシャルサイト
『クラッシュ』オフィシャルサイト

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2006.02.15

2月映画ランキング(2/15更新)

『タブロイド』
『ミュンヘン』
『忘れえぬ想い』new
『あおげば尊し』new
『拘束のドローイング9』new
『最終兵器彼女』
『サイレン』 new
『ギミー・ヘブン』
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』

トップには立てなかったものの香港映画の『忘れえぬ想い』が好位置にランクイン。93年の『つきせぬ想い』から10年経ってイー・トンシン監督がセシリア・チャンを主人公に撮ったラブストーリー。設定的にはお涙頂戴系なれど決してセンチメンタリズムに流れず、押さえた演出と役者の力量で見応えのある作品に仕上がっている。子役の原島大地君もいいぞ。
『あおげば尊し』は先月の『疾走』と同じ重松清の原作もの。市川準監督の独特のドキュメンタリータッチな作風で、『死』と正面から向き合おうとするまじめな一作。同じく元教育者を親に持つ身としては色々と考えさせられる。
どうしてもランクの下位に沈んでしまう今月の邦画だが『サイレン』も健闘空しくダメでした。ネタばれになるので詳しくは語られませんが、そういう結末にするには脚本の詰めが甘いでしょう。○○○と×××の区分けが基準がいい加減。行き当たりばったりのよう。「あ〜そうだっのか!」と言うより「えぇ?それならあれはどうなるの?」と納得がいかない方が大きい。ミスリードが下手というかインチキぽくってイヤだ。
で、問題は『拘束のドローイング9』。現代アートのカリスマ、マシュー・バーニーによる捕鯨船的西洋客人熱狂的恋物語神話。20年位前なら驚きのカルト映画となっていたであろうが、今となると一歩間違うとヘンなニッポン趣味のトンデモ映画となりかねない危険な作品。そうならないのはアーチストとしての彼の実力とインパクトと自信に満ちた映像美の成せる技か。奥さんでもあるビュークが恋人役と音楽を担当。ビュークがアイスランド出身からか捕鯨に対しても特に偏見は感じられなかった。ちゃんと文化として捉えているもよう。ほとんどセリフが無いので眠くなってしまった。好きな人にはたまらなくスバラシイ作品なんだろうし、自分ももっと若ければランクももっと上にいったと思うが、年を取ってくるとよっぽど自分の嗜好と合わないと厳しいものがある。

『拘束のドローイング9』オフィシャルサイト
金沢21世紀美術館のサイトの方が詳しいかも。
『忘れえぬ想い』オフィシャルサイト
セシリア・チャンの出演作って結構観てるなぁ。『星願/あなたにもう一度』『パイラン』『マッスルモンク』『ワン・ナイト・イン・モンコック』←これも面白いです!

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2006.02.11

2月映画ランキング(2/11更新)

『タブロイド』
『ミュンヘン』
『最終兵器彼女』
『ギミー・ヘブン』
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』

巨匠の渾身の一作といった感じの『ミュンヘン』。ただしこの手の「史実に基づいた作品」というのはその「史実」に対する観る側の考え方や、作り手の「史実」に対する解釈への感じ方によって、作品への評価が大きく違ってくるものなのでランキングもなかなか難しいものがあります。でもまあ2時間半を超える上映時間もさほど長くは感じなかったし、常に緊張感に満ちた画面と役者たちの熱演は見応えあり。
そんな巨匠の映画作りを少しは見習って欲しいのが青山真治監督、あなたです。カンヌで賞を取ったし三島由紀夫賞も貰ったしもう商業映画に未練はないのか、良くも悪くも実験精神に溢れた作品ですわ。実験精神はいいんですけど、それが頭でっかちの観念先行型で全然肉体を感じさせないところが最悪。登場人物は全て記号でしかなく、映画そのものも監督の頭の中のだけの出来事のよう。「レミンング病」なんて設定が必要なのか?キャスティングの必然性は?等等「?」がいっぱいの映画でした。『ギミー・ヘブン』に感じた疑問より更に大きな疑問符です。宮崎あおいちゃんの存在感なんて『ギミー〜』より薄いし。『ギミー〜』はまだ映画作りの下手さ加減で語られる部分がありますが『エリ・エリ〜』は確信犯なので始末が悪いです。よって最下位の栄誉を与えます。背後にどんな思想的バックグラウンドがあるのかは知りませんが、結果的に出来上がった作品が面白くなければ誰もついてきません。
それにしても何でこんな作品になっちゃった(しちゃった)のかね。関係者に文学賞受賞者を集めすぎるとこうなっちゃうの?三島由紀夫賞に芥川賞。筒井康隆の分も入れると膨大な数だね。どうなんでしょう大森先生?そもそも筒井康隆って(昔は熱中して読んでました!)役者としては下手でしょ。コミカルな作品ならまだしも、シリアスな作品には不向きだと思うのですが。仙頭プロデューサー、こんなことしてていいんですか?最近完全に一ノ瀬さんに置いてかれてません?

最初この作品のタイトルを聞いた時はてっきり平谷美樹『エリ・エリ』(第一回小松左京賞受賞作)の映画化かと思っちゃいました。

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2006.02.04

2月ランキング

2月に観た映画のランキングです。(2/4現在)
『タブロイド』
『最終兵器彼女』
『ギミー・ヘブン』
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関東では六本木ヒルズのヴァージンTOHOシネマズのみの上映なのがさびしい『タブロイド』、寒風吹きすさぶ中出かけてまいりました。オフィシャルサイトには「『シティ・オブ・ゴッド』を凌ぐ衝撃のサスペンスフル・ドラマ」等と書かれてますが、冒頭から私刑(リンチ)までの10分程度は確かに凄いシーンでしたが全体としてはやはり『シティ・オブ〜』に軍配は上がるでしょう。テーマそのものにも新鮮さが感じられなかったのも痛いか。それでも『ランド・オブ・ザ・デット』のチョロ役の人や『トーク・トゥ・ハー』の眠れるバレリーナ役の人が出てたり渋いキャスティングだし、作品の持つパワーは大きいです。Tシャツ買っちゃいました。で、今のところランキングはトップ。

『最終兵器彼女』コミックは数年前に読了。OVAは未見。窪塚弟濃すぎる。テツちゃん下手。純愛ものっぽくしたのは正解だったかもしれないが、あまりにもジメジメし過ぎ。ちせがだんだん兵器になっていく過程や心の変化をもう少し丁寧に描いて欲しかった。VFXがそれなりの出来なだけに残念。

そして宮崎あおい出演作ではここ最近最低の出来の『ギミー・ヘブン』。もちろん本人のせいではなく脚本と監督のせいだろう。オフィシャルサイトには「いま考えうる最高のスタッフ・キャストで製作に臨んだ」などどと書いてあるが、最高(かどうかは別として)のキャストを(一部の)最低のスタッフが活かしきれなかった典型的な例。「共感覚」というネタを持ってきたのはいいが言葉だけで中身が伴わないのでは意味がない。物語の中でどんな重要なポイントになっているのかさっぱり分からない。ラストのためだけの取って付けたようなネタ。松田龍平、石田ゆり子などのその存在理由が不明なキャストも多数。自分の描きたい世界像があるのは構いませんが、その為の乱暴で非合理的な物語の展開にはついていけませんでした。ちょっと『天使の牙』のダメさを思い出しました。関係ないけど江口洋介って『アナザヘブン』にも出てたね。ということで今月のワースト。

tabloid

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2006年1月ランキング

<総合ランキング>
『ブレイキングニュース』
『疾走』
『ロード・オブ・ウォー』
『輪廻』
『ホテル・ルワンダ』
『狼少女』
『THE 有頂天ホテル』
『ビッグ・スウィンドル』
『ファイナルカット』
『東京ゾンビ』
『フライトプラン』
『博士の愛した数式』
『銀色の髪のアギト』
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『ロード・オブ・ウォー』で明けた2006年。シニカルな視点で戦争の矛盾を突く作風が気に入り好位置にランキング。同じ戦争・紛争を扱った『ホテル・ルワンダ』もよかったのだが(署名にも協力したし)民兵による虐殺がメインで隣人による虐殺にはほとんど触れられておらず、それでは真の恐怖が伝わらないではないか、とやや位置を下げる結果に。

最恐期の黒沢清を思わせる演出がツボにはまった『輪廻』だったが、それより怖い『疾走』がさらに上位を確保。この作品今までのSABU監督の作風とはまるで違うが、こんなスゴイ映画がもっと話題にならないといけないのではないか。観終わってもしばらく座席から立ち上げれなかった。ベルリン映画祭映画祭パノラマ部門に正式出品だそうです。

娯楽系では韓国産の『ビッグ・スウィンドル』がなかなかの面白さ。脚本に何年も掛けたそうだが逆に煮詰め過ぎって感じがして正統派『THE 有頂天ホテル』にわずかに及ばず。期待値は高かったものの予想以上の脱力度で『東京ゾンビ』も下位に沈む。そしてさらに降下したのが『フライトプラン』。あまりのご都合主義・大雑把な作りに呆然。ただし突っ込み所満載映画としてはポイント高し。

『博士の愛した数式』は嫌いじゃないけど、あまりに奇麗な作りに辟易した。『ファイナルカット』は実に面白い素材だったのだが、こじんまりとし過ぎて残念。もっと話を広げて欲しかった。結果微妙な位置に。『狼少女』はレイト上映時に気になっていたのだが結局観に行かず、Yahoo!ムービーで異常な高得点を出してるのも手伝って大森に回ってきたので行きました。最初は子供たちの演技も下手でかなりヤバイ感じだったがラストはウルウルきました。脚本は悪くないのでしょうが、演出が拙い。まあかなり甘めの評価ではあるが見世物小屋に免じて許してくれ。

あまり触れたくないのですが『銀色の髪のアギト』。何とかならなかったんですかねぇ、これ。自分たちででもマズイと思ったでしょうに。唐突なストーリー展開。説明不足。見たことあるテーマの噴出とその未消化度の高さ。連続アニメの総集編じゃないんだからさ、もっとちゃんと作ってよ。

で栄えあるトップは『ブレイキングニュース』。『ザ・ミッション/非情の掟』『PTU』『マッスル・モンク』のジョニー・トー監督作品。あいかわらずかっこいいです。

★★★『PTU』

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