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2004.09.26

『ハイウェイマン』9/25(土)新宿トーア

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銀座シネパトスでの上映が二週間で終了してしまい、新宿トーアも予定より早く終了する模様。確かに日曜の初回であるにしても寂しい客席。そんなにつまらないのかなぁ?

いえいえ、なかなか面白かったです。「ヒッチャー」や最近では「インプラント」のロバート・ハーモン監督最新作。82分という短い上映時間の中にアクション・ミステリー・ラブストーリーをコンパクトにミックスし贅肉を削ぎ落とした佳作に仕上がってます。そのコンパクトさが小粒な印象を与えるのも確かですし、説明不足の部分やもっと膨らませられる部分もありますが、へたに冗長な作品より締まってていていいと思います。

ひき逃げ魔によって目の前で妻を殺された男の復讐劇で、ひき逃げ魔の正体がちょっとミステリアスなわけだが、この映画のいいとこは、へんにミステリー色を長引かせずに犯人の正体を明かし、同時にアクション劇に切り替えるテンポのよさにある。気持ちよく物語の流れに身を任せ、後はラストまで突っ走る!いさぎよい演出に拍手。役者陣も少数精鋭でよろしいです。

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『スウィングガールズ』9/24(金)TOHOシネマズ川崎

前作『ウォーターボーイズ』は傑作だと思いました。笑いました。その矢口史靖監督の新作なので期待は高まりました。

期待し過ぎたせいでしょうか、思ったより面白くなかったです。笑いも爆笑する程のシーンは少なく、話しの展開もかなり無理がありぎこちなさを感じました。もともと矢口監督の作品ってその無理で強引な展開がパワーと笑いを引き出していたと思うんですが、今回はそこに切れが感じられずうまく笑いに転化されてなかったような。まあ自分の笑いのツボにはまらなかったってことなんですが。
あと、ジャズを練習するシーンがもっと欲しかった。主演の4人の女の子たちはまあいいとして、他の大勢の女の子たちがいきなり途中参加で上手に楽器を演奏するのはやはり無理があるよ。一応スイングガールズなんだからその部分はきっちり見せてくれないと。せっかくラストの演奏はそれなりに感動的なだけに、そこにもっていく部分もそれなりに描いて欲しかった。

関口役の本仮屋ユイカ。先日NHKの朝の連ドラのヒロインにもオーディションで決まった子ですが、この映画でもいい味出してました。ひょっとして上野樹里より目立ってた?これから注目ですね。
それと先日東宝の試写室に行った時、ロビーにイノシシの人形?が置かれていて何の映画に使ったのかなぁ?と思っていたらスイングガールズだったんですね。一緒に「感染」「予言」の人形もあったんですが台座が違うし、その他東宝系の作品でイノシシが出てきそうな作品も思い浮かばなかったので不思議に思ってたんです。

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『父、帰る』9/23(木)シャンテシネ

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2003年ヴェネチア映画祭金獅子賞・新人監督賞ダブル受賞作。

12年振りに突然帰ってきた父親。なぜ?どうして?何が?と疑問符だらけのこの映画。つまり観客を主人公の兄弟と同じ状況に置くことが狙いらしい。そして優れた芸術作品には「謎」はつきものらしい。全ては観客の想像に任せられているわけだ。作品には宗教的なモチーフが随所に散りばめられていて、「家族」をテーマにしているらしい。確かに映像は力強く、重厚感の中にも柔らかさががあり「芸術」的ではある。役者たちも魅力的だ。ミステリアスな展開も面白い。兄弟・父と母・父と子。それぞれの関係が物語の中で描かれていく。つまり我々に「家族について考えよ」とゆうメッセージが込められているらしい。もちろん現代ロシアの現状を踏まえての上だが。
「らしい」と言うのは、監督の意図するものが果たして(日本の)観客に伝わるのかどうか疑問に思うからだ。これだけミステリアスな話しにしてしまうと、観客は(少なくとも僕は)謎解きのほうにばかり神経がいっちゃってこの映画が「家族」について語っているとは思いもしなかった。意味ありげな父親の正体は?あの箱の中身は?しかも弟のイワンくんがひねくれたイヤなガキで、何でそこまで反発するかね?と物語を進行させるための狂言回しのようで気に入らなかったしね。まあそれも(公式サイトを見れば)色んな象徴が込められているらしいんだけどね。そおゆうことを知った上で観れば、また違って見えるんだろうけどね。だからこの映画に関して言えば、ある程度の知識をもった上で観に行った方がいいのかも(もちろんラストは知らない方がいいけど)。

これも公式サイトに書いてあったんですが、お兄さんのアンドレイ役の子が映画撮影終了後(完成試写直前)、ロケ地の湖に遊びに行ってそこで溺死してしまったそうです。なかなか先が楽しみな子だと思って観ていただけに・・・。合掌。

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2004.09.25

『感染』9/22(水)東宝試写室(試写会)

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Jホラーシアター第1弾の一作。老朽化と経営危機で内状はボロボロの病院を舞台に「未知のウィルス」によると思われる感染の恐怖を描く。

う〜ん、なかなか面白かったです。ネタ的には目新しくないし「世にも奇妙な物語 〜の特別版」的(30分くくらい)でもあるんですが、見せ方が上手いんで見事に騙され?ました。そうゆう話しかと思えばああゆう話しで、でもやっぱりこうゆう話しだった、みたいな。
冒頭は、現実の世界でも洒落にならない病院の経営難による超過勤務やそれによる医療ミスで幕開け。それだけでもうホラーなんですよね、これが。そして遂に一人の患者を死亡させてしまう。そのゴタゴタしているところへ救急車が原因不明の劇症患者を運んでくる。その患者や死亡させた患者、その他のクセのある入院患者たちと医者・看護婦達が体験する恐怖の一夜の物語りが開幕する。
この映画もネタばれしちゃうと面白くないので、あまり前知識を入れないで観た方がいいかもしれません。冒頭付近にキーになる会話が交わされてます。婦長の南果歩がいい味出してました。その他の看護婦の方々も熱演でした。

結末だけ見ると(ちょと分かりづらいのもあるが)納得いかない箇所もあるけど、ラストまでいっきに押し切る勢いはあるので、それをよしとできればまあ元は取れるのではないでしょうか。

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『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』』9/21(火)TOHOシネマズ川崎

忍者は好きです。ハットリくんは漫画じゃなくてアニメで見た口ですね。これを実写化しようと思い付くこと自体、何を思ってなのか疑問に思う部分はありますが、まあ面白ければいいんですが・・・。

香取慎吾のハットリくんはやっぱり無理があるよなぁ。アニメのちっちゃいキャラクターが念頭にあるせいかもしれないけど、いかにも描いたって感じのほっぺのクルクルやアップになった時のうっすらとしたヒゲの跡とか、見てて苦しい。赤フン姿も気持ち悪いよ。話も何だかシリアスだし。何でこんなシリアスなテーマを盛り込んだんでしょう?ってゆうかシリアスなのはいいとして、もっと見せ方があるでしょう。例えば映画で言えば「ズッコケ三人組 怪盗X物語」とか(今アニメでやってる「ズッコケ三人組」も面白いしね)。
終盤の見せ場かと思った「主人以外に姿を見せず」にどうやってケンイチ君を助け出すのかとゆう場面も、あっさり悟りきって掟を破っちゃうし、取って付けたような田中麗奈の役どころも意味不明。そもそもケンイチ君を始めとする子役陣がみんな下手。今どきこれだけ子役が下手な映画もめずらしいんじゃない?ケンイチ君のパンツ姿もアニメなら絵になってかわいいんだろうけど、ナヨナヨしててヘン。グッジョブ!も意味ありげに頻繁に出てくる割りには意味不明でウザイ。

観てる間はそれなりに楽しんでたけど、こうやって振り返っみると、バランスを欠いたイビツな映画だなぁと思えてきました。脚本も演出もダメダメってことでしょうか。

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『茶の味』9/19(日)渋谷シネマライズ

確かに今までの作風とは一転してのほほんとした感じが心地よかったです。春野一家も適度にヘンで、脇役陣の絡みも無理なく可笑しかったです。春野一家のそれぞれのエピソードを中心に、のどかな自然の中で進む二時間半近い上映時間、特にクライマックスがあるわけではない進行ですが飽きずに観れました。
途中にアニメがアニメ作品としてでてきたり、歌があったり、どちらにも庵野秀明が出てたりして『恋の門』との類似も面白かったです。それにしても庵野監督って下手ってゆうか地のままって言うか、『恋の門』にも夫婦で出てたし『ローレライ』にも出てるそうですが、最近役者づいてるかしら?

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『IZO』9/18(土)シアターイメージフォーラム

時間空間を超えてこの世界を支配する支配者たちに、時間空間を超えて闘いを挑むIZO。IZOを突き動かすのは権力者たちへの「怨念」であり、虐げられてきた者たちの声無き絶叫。IZOが目指すのはこの矛盾に満ちた世界そのものへ「天誅」を下すこと。その道を阻む者に対しては殺戮あるのみ。老若男女大人子供の区別はない(さすがに子供の直接的な殺害シーンはなかったけどね)。それがストーリーの全て。
賛否両論好き嫌いが激しいようですが、それは「世界」に対する認識の違いの表れでもあるのでしょうか。冒頭や途中に挿入される戦争・紛争のフィルムの数々や、分かりやすく単純化された支配層のキャラクター。それらが意味する世界の構造。それらに多少なりとも関心のある向きにとっては、その表現手法に好き嫌いはあっても、意味のある作品だと思います。もちろん単なるケレンと見る向きもあるでしょうが、もう後は観た側がどう自分の中で受け止めるかってことになりますしね。

殺陣がヘタとか途中の歌がウザいとか有名な俳優を無駄に使っただけetcの批判があるようですが、殺陣を見せようとする映画じゃないし、友川かずきを知らない人にはしょうがないことだし、無駄に有名人を使うことに意味があったわけだし(つまり主演が有名人じゃないこと)、まあ観に行く人の動機はそれぞれだけど、極端に客を選ぶ映画なのは確かですね。

自分は友川かずきが出て、しかもあれだけ歌ったってことだけで、もうこの映画認めちゃってますから、はい。友川かずきのプロモーションビデオとの意見もあるようですが、ある意味それは正しいと思います。彼がデビュー当時からその歌の中で絶叫してきた言葉を聞けば、彼の(歌の)為にこの映画が作られたとも言えますし。つまり裏の主人公ですね。

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2004.09.23

『恋の門』9/16(木)スペースFS汐留(ティーチイン付き試写会)

松尾スズキ初監督作品。原作コミックは未読です。

自称漫画芸術家やコスプレマニアが主人公なので、その筋の人たちから見れば納得のいかない部分もあるのかもしれませんが、そっちの世界にそれ程造詣の深くない自分にとっては結構面白く観れました。

話そのものは大したことなく、キャラで勝負って感じの作品ですかね。酒井若菜がなかなか頑張ってましたね。実際ああゆう、全てをコスプレに(趣味に、と置き換えてもいいし)注ぎ込む人たちっていそうだしね。松田龍平くんは、今まで観た中では一番よかったけど、まあこれからですね。今回は役がよかったね。酒井若菜や周囲の人たちにに巻き込まれていくって役どころがうまくはまったって感じ。
脇役陣も豪華で面白かったです。特に酒井若菜の両親役の平泉成と大竹しのぶ。二人とも娘同様コスプレマニアで、ノリノリの演技でとてもおかしかったです。で、二人の最初の登場が「伝説巨神イデオン」というアニメのコスモとキッチ・キッチンとゆうかなりマニアックなキャラ。このアニメ、個人的に一番好きなアニメなので、もうそれだけでこの映画を許してしまいました。
松尾スズキ自身も出てるんですが、監督も兼ねてるせいでしょうが、もっと見せ場が欲しかったっすね。塚本晋也はやっぱりいい役者ですね。三池崇史や片桐はいり、小日向文世etcもワンポイントで効いてます。

ティーチインの内容はこちら

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2004.09.20

『スパイダーマン2 』9/14(火)チネチッタ

ようやく観てきました。面白いじゃないですか、好きですよ。恋人を取るか使命を取るかで悩む貧乏ヒーロー。話も分かりやすく飽きさせない。適役のドクター・オクトパスのなかなかいいキャラだし。それにしても、彼は核融合じゃなくてもあの背中のアームで十分ノーベル賞は取れると思うんですけどね。

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2004.09.19

『ディープ・ブルー』9/13(月)TOHOシネマズ川崎

何だ!これは実は反捕鯨の映画だったの!?と思ったのは俺だけ?

内容自体はNHKとかでよく見たことがあるような内容で(まあ、テレビも元はBBCの番組だったりするわけだから当然なのかもね。)、これといって新鮮なものがあるわけじゃなかったが、さすがに劇場のスクリーンで観ると迫力がある。でも映画はより絵的な作りを重視しているせいで、大きな生態系としての“海”を描いてないとゆう不満はある。まあ、どうしても時間の枠があるから羅列的になってしまうのは仕方ないことだけど、もう少しうまい見せ方はあったんじゃないでしょうか。
それより、全編を覆うあの仰々しい音楽は止めてくれ!オープニングから耳が痛くなったよ。何か感情を押し付けられているようでイヤだね。

そしてラストの一言。シロナカスクジラの頭数が減っているは事実であるにしろ(いや、現状では保護されているので減っていないらしい)、その元凶は鯨油目当ての(ここでも油か!)欧米列国の乱獲にあるわけでしょ?シロナガスクジラの歴代捕獲数で言えば英国が2位らしいじゃん!
それに種類によっては過剰な保護のために頭数が増えすぎ、餌になる小魚が激減して逆に生態系を壊しているって話もあるしね。海の保護全体のことを言ってるんでしょうけど、ちょっとねえ。何で最後にあの一言を持ってきたのかは知らないけど、白けちゃった。

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2004.09.15

『デビルズ・バックボーン』9/12(日)池袋シネマサンシャイン

「クロノス」からのギレルモ・デル・トロ監督ファンです。今回はハリウッドを離れ、スペインでアルモドバルのプロデュースとゆうことで、同じラテンの血の元でどんな作品になったのでしょうか?ちなみに98年に「クロノス」を観た時の感想です。

スペイン内戦下、人里離れた荒涼とした野原にぽつりと建つ孤児院が舞台。庭には巨大な不発弾が何かを主張するかのように突き刺さっている。そこに主人公の少年が連れてこられる。内戦という暗い時代を背景に、戦争による混乱とそこに生じる対立、人間の欲望、少年たちの孤独と自立。孤児院に現れる亡霊がすべてを曝け出させる。 

ホラー。正統的な「恨み」ホラー。直球勝負ですな。変なひねりもないし、小細工もなし。そこが魅力でもあるし、ちょっともの足りないとこでもあるか。しかしこの映画は絵的に怖がらせようとしてるわけではなく、人間の中に棲む様々な感情の“怖さ”を描こうとしているので、まあこんなものなのかな。
人間の感情が生み出す出来事の連鎖が終局的な悲劇をもたらす。単に人が死んでいくだけのホラーじゃなくて、それぞれの死にドラマがあってそれがもうひとつの見どころでもある。でもだったら別にホラーじゃなくても(少年の幽霊を出さなくても)よかったんじゃないの?ってことも言えるんだけど、まあそれはそれとして。

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2004.09.14

『イエスタデイ/沈黙の刻印』9/11(土)銀座シネパトス

西暦2020年、元政府の科学者を狙った連続誘拐殺人事件。事件を追う特殊捜査隊SI。30年前に起きた幼児集団誘拐事件。抹殺された国家プロジェクト“ルカ”。犯人の目的は?封印された記憶。遺伝子etc。
え〜、SF者としてはこうゆう設定の映画は取りあえずはずせないんですなあ。韓国は割とこうゆう映画も撮ってくれるんでうれしいんですけど、その出来はとゆうと・・・・・。

やってくれたよ。企画2年、撮影9ヶ月、「シュリ」を超える製作費!ってそれらの努力とお金は一体どこに使ったの!?と突っ込まずにはいられないっす。監督がインタビューで「ストーリーや人物はもちろん大事な要素だと思いますが、映画そのものを楽しむことがなにより大事だと思っています。
私はこの作品がゴージャスになってほしかったのです。撮影、ビジュアル、サウンドなど、すべてにおいて高級感を出そうとしました。」
って言ってるけど、ほんとそのまんまって感じ。でもストーリーがおざなりだと映画そのものも楽しく無いってことには気付かなかったのかなぁ?人物はそれなりに頑張ってると思うんだけど、お話がお粗末っていうかいつまでたっても全体像が見えてこなくて、よく分からない。しかもゴージャスに作ったつもりのSF的世界設定も銃器類は充実してるけど、その他CGで作った都市や取って付けたような「ブレードランナー」的浮遊広告塔も作品世界に全然馴染んでなくてその必要性が不明。主なアクションシーンも原っぱの中の廃虚とか船の中なんで、近未来の意味なし。ゴージャスとゆうよりはごた混ぜ?

ちょっと前、似たような作品に「ロスト・メモリーズ」ってのがあったね。これも近未来もので似たような宣伝文句だったような。自分はあんまり評価してないけど、こっちと比べるとまだストーリーに起伏がありSF的でもあり楽しめたね。でも嫌いじゃないよこっちも。日本ではもうほとんど作られないジャンル作品だから(「リターナー」以後無いんじゃない?)ね、そおゆう意味でも韓国映画には期待してますよ。

それにしても、どうみても「韓流」ブームに乗って勘違いして来てるおばさん(しかもカップルで)が多いのに驚きました。

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2004.09.13

『マイ・ボディガード』9/10(金)ヤマハホール(試写会)

原題が「MAN on FIRE」燃える男。元CIAの特殊部隊員がメキシコ・シティで少女のボディガードとして雇われが誘拐を許してしまい、その復讐の為に「燃える男」として立ち上がる、とゆうお話。前半はデンゼル・ワシントン演じるボディガードの苦悩と再生の物語り。そして後半が復讐の物語とおおまかに二部構成。

全体のトーンは思ってたよりかなり重めでした。それは前半、過去に苦しめられる主人公の姿が執拗に描かれることと、後半の復讐シーンの容赦なさによります。唯一心休まるのはダコタ・ファニング演じる少女との交流とそれによって主人公の心が開かれていくとこですが、そこを明るくすることで、より彼女が誘拐された後の主人公の過激さを観客に納得させやすくしようとしています。個人的にはちょっと甘甘過ぎなわざとらしい演出で好きじゃないんですが、これくらいやっておかないと後半の残酷な復讐シーンの言い訳にならないとゆうことでしょうか。でもその「目には目を」的な執拗な復讐劇はご時世柄、際限のない暴力によるアメリカの対イラク・対テロ政策を肯定しているようであんまり気分いいもんじゃありませんし、ちょっと違うんじゃないかとも思いますが。

画面の質感とか舞台がメキシコとかゆうせいか(その重苦しさも手伝い)「トラフィック」に似た感じも受けました。麻薬を誘拐ビジネスに置き換えてアクションを加味したって。時間も同じような長さだし。「トラフィック」に及ばない点は、せっかくクリストファー・ウォーケンやミッキー・ロークなどの渋い脇役が出ているのに、どうしても焦点はデンゼル・ワシントンに集中するんで、脇役たちにちゃんとした落しまえが付いていない点。もったいない。
あと、チラシにあるような「レオン」を持ち出すのはちょっと見当違いじゃないの?あやかり商法が見え見えでイヤらしいですね。

それにしてもダコタちゃんは誘拐されてばかりだね。「コール」でも誘拐されてたね。誘拐じゃないけど「アイ・アム・サム」も父親と引き離される役だったし。「アップタウン・ガールズ」でも親子の縁は薄かったような。で今度は「宇宙戦争」のリメイクでトム・クルーズの娘役ですか。それから「不思議の国のアリス」のオファーですか。いやはや売れっ子ですなぁ。

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2004.09.12

『CODE46』9/7(火)イイノホール(試写会)

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ウィンターボトム初のSF。SFとゆうよりはSF的設定を持ち込むことによって、作品のテーマをより浮かび上がらせようとした作品。そのテーマは「究極の愛」らしい。

近未来。遺伝子操作の進んだ管理社会で犯してはならない規則=CODEがあった。そのひとつCODE46。同じ核遺伝子を持つ者同士の生殖の禁止。犯したものは該当の記憶を消され都市から追放される。

物語りはいたってシンプル。しかしそれがメリハリの弱さにもつながりちょっと退屈。SF的設定がテーマを浮かび上がらせると同時に、ソフティケイトしてしまい「究極の愛」の姿が今一つ身に詰まされるテーマとして見えてこない。遺伝子操作や記憶の改変、共鳴ウィルスetcのせっかくの道具立ても物語に馴染んで無いとゆうか、いかにもその為に準備されたって感じで変。SFとは言いながら、流行りのCGや特撮は使わずに既存の風景からSF的雰囲気を造り出す手腕は認めるが、全体としてはその雰囲気に流される部分が多く、テーマの核心にいまひとつ迫れなかったのではないか。紗幕がかかったような画面の印象がそのまま作品の印象にもなってる。
それにしても結局は「究極の愛」は愛として成就されるべきものなのかどうなのよ、監督?やはりリアリストのウインターボトムにSFは似合わないとゆうことか。

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『狐怪談』9/5(日)新宿武蔵野館

韓国製学園ホラー。極めて乱暴だけど、「桜の園」をバレエ部にして「MAY」と「エコエコアザラク」の味付けをしたって雰囲気。「願いを叶えてくれる階段」を巡って三人の女子高生が愛憎劇を繰り広げるお話。

割りと好きなタイプのホラーです。心理ホラーの要素と霊的ホラーの要素が混ざっていて、女の子たちの友情・嫉妬・いじめetcがほどよくミックスされ手堅くまとめられてます。ただ残念なのはどうしても「リング」「呪怨」系のキャラが出てきてしまうとこ。もう見慣れてしまって、怖いとゆうより逆に笑ってしまいます。おいおいまたかよって。主演の女の子たちもなかなか魅力的な子達たちなので、これからが楽しみです。

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2004.09.11

『マインド・ゲーム』普及委員会


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現在渋谷シネクイント等で公開中の『マインド・ゲーム』。非常に面白いです。ここ最近公開されたアニメ映画の中では最高の傑作ではないでしょうか。しかしあまりお客さんが入ってないようです。9/10(金)までの上映です。みなさん観に行きましょう!

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8月21日(土)公開!『IZO-以蔵-』


『IZO』以蔵

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2004.09.10

『ドット・ジ・アイ』9/4(土)シネセゾン渋谷

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『オールド・ボーイ』を観た後だからか、非常に品のいいサスペンス映画に思えました。騙されても納得がいくって言うか、よくぞうまく騙してくれたって言うか。一種の爽快感さえ覚えました。これも大きく見れば復讐劇ともとれますが、『オールド・ボーイ』のような陰惨さはないのでまだ救われます。
まあこちらは復讐を描くことが主眼ではなく、観客を騙すことが目的なので比較しても仕方ないのですが、騙しのテクニックとしてこうゆう方法もあるってことで、それはもう監督の嗜好・資質の違いなのですが『オールド・ボーイ』で何故○○○を使ったのか?とゆう愚痴に戻ってしまうわけです。

話を戻して『ドット・ジ・アイ』です。これはインディーズ映画の人たちにも楽しめる作品になってます。ネタばれしないよう詳しくは控えますが、ネタの使い方がうまいとゆうか、無理を感じさせないとゆうか、話の運びがうまいのかな。もちろん多少無理のある展開もあるけど、それらを差し引いてもよくできたミステリーだと思います。

劇中どこかで聞いたことのある曲が使われてると思ったら『華様年花』でも使われていた「キサス・キサス・キサス」の英語版でした。三角関係とゆうことからの意図的なものなんでしょうか?

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2004.09.06

『オールド・ボーイ』その2(ネタばれ注意)

前回の感想から追記。未見で事前情報を入れたくない方は注意して下さい。


冷静に考えたら、これって衝撃とか驚愕とかの言葉じゃ済まされない、大変に鬼畜な話しだよ!それを考えれば俺がアウトにした問題なんかほとんどどうでもいいように思えてくるな。しかもラストも解釈の余地のある終わり方になってるけど、どっちも救いはないぞ!そこにはどんな愛があると言うんだ!?(作品の出来とは関係なしに内容の問題として)こんな作品にグランプリなんてやっていいのか!誰かタランティーノの暴走を止められなかったのか!この映画を観たらたいていの作品、ゾンビやスプラッターさえ可愛いままごとに思えるだろう。
しかも日本での完成披露試写会の舞台挨拶で主演の二人は「楽な気持ちで」とか「楽しい思い出になってくれれば」とか言ってやがる。楽しんで観れるかい!こんな作品。あんたら変だよ。監督も蛸に感謝してる場合じゃないでしょ。あんたの仕打ちはキム・ギドクよりひでぇよ。とても「JSA」の監督とは思えない。でも他の作品も観てぇ〜。

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2004.09.05

『オールド・ボーイ』9/1(水)イイノホール(試写会)

「カンヌ映画祭グランプリ受賞!」「タランティーノ熱狂!」「ハリウッドでもユニバーサル社よるリメイク決定!」「世界がひれ伏す衝撃作品!」「すべての人の想像を超える、衝撃の復讐サスペンス!」「ラストは他言無用!」これだけ宣伝されれば話半分にしても観に行きたくなるとゆうもの。さて結果は?

日本の原作コミックは読んでません。ちょっと調べたところ、基本設定は同じだが、映画はかなり変更を加えてある模様。チラシにも「独自の動機・展開を付け加え」とある。だから「衝撃の結末」も映画独自のものと推測される。監督は『JSA』のパク・チャヌク。
作品全体の完成度はかなり高いと思う。コミカルなオープニングから突然の拉致監禁そして解放。そこから犯人探し、復讐、意外な結末。テンポのよい展開と緊張感のある画面は、観客を引き付け集中力を途切れさせない。全体の雰囲気、随所に挟まれる笑いは『殺人の追憶』にも似ている(と、実はポン・ジュノ監督に進められて漫画を読んで映画化したらしい)。パク・チャヌク監督インタビュー(若干ネタばれに通じる発言がありますので注意して下さい)

面白い、確かに面白い。でも俺は評価しない。ギリギリのところで評価できない。映画の好き嫌いは極めて個人的な理由によるし、その人のこれまでの映画鑑賞・読書遍歴・ひいては人生経験までもが大きく反映されてしまうものだと思う。で、この『オールド・ボーイ』には俺の中では決して使ってはいけない仕掛けが使われている。そこでまずアウトひとつ。これを使っちゃうと何でもOKになっちゃう。それは反則。さらに「動機」というか動機の元になる出来事(=「結果」でもあるのだが)でも、これはこの感想文の冒頭に挙げた数々の「!」的賛辞に値する程のものでは決してない、とゆうことで二つ目のアウト。最近その手の作品に触れる機会が多かったせいか、余計「またか」的な思いが強かったこともあるんだけどね。
ただ、それでもこの映画が面白いのは、『ツイステッド』と違い「ラストの衝撃」のためだけに「事実」や「動機」が準備されているのではなく、ちゃんとそこには犯人及び真?犯人の側の心理にも踏み込んだ作品全体のダイナミズム感があるからだろう。とゆうか作品本来の狙いはそこにあるとも言えるし、そこの部分はもはや言う程「衝撃的」ではないにしろ、それを巡る・そこに至るあれこれも含め、複雑に絡み合った因果関係はよくできていると思う。残念なのは、その部分が割と駆け足で語られてしまって、より「結果」だけがクローズアップされてしまっていることか。その「結果」に対する描写も役者の熱演もあり、見応えがあるシーンになっているだけに余計にね。

とは言うものの、観終わって数日経ってこうして振り返ってみると、なかなかよく出来た作品だと思えてきた。しかしそこでどうしても問題になるのが先に挙げた最初のアウトな点。つまりは仕掛けの問題とゆうことになる。そおゆう仕掛けを使わなくとも同じ過程は描けたのではないのか?使う理由も分からないではないが、そおゆう使い方はしないでくれ。作品全体からすると些細な点かもしれないけど、俺的には禁じ手なのだ!

余談ですが、その点『ドット・ジ・アイ』はうまいと思いました。こうゆう仕掛けでもOKではなかったでしょうか。それじゃあ『LOVERS』だって?う〜む。難しい。『4人の食卓』とか『箪笥』とか、韓国映画って一番残酷なのかも。
さらに余談ですが、この作品は“復讐三部作”の二作目だそうです。一作目は『復讐者に憐れみを』とゆうこれまた救いのない復讐劇(2002年の東京国際映画祭で上映されたみたい。秋に日本公開?)だそうです。そして三作目は女性を主人公にした復讐劇。タランティーノがグランプリあげたのも頷けるって?

何かネタばれを防ぐため非常に分かりづらい文章になってしまって申し訳ありません。公開はまだ先なようですが、あまり前知識を入れずに観た方がよろしいかと思います。

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『トゥー・ブラザーズ』8/31(火)イイノホール(試写会)

確かにトラが凄い演技をしている!演技とゆうよりは、そうゆう行動をとるまで待った根気の勝利と言うべきか。30頭ものトラを準備し、8ヶ月かけただけあってさすがにトラの動きはまるで演技しているようだ。物語も、人間の欲望によって引き離された子トラの兄弟が、成長して再び人間の欲望によって残酷な再開をするとゆう、ただトラ可愛さだけでは済まされない内容になっている。動物の純粋な兄弟・親子の絆。それに比べて欲にまみれた人間のあさましい姿。それなりに観る価値はあろう。
ただし注意して欲しいのは、この映画は決して宣伝されているような「少年と子トラの友情」の話しではないとゆうこと。チラシなんかでも少年と子トラの写真が使われているが、この作品はそこが話の中心ではないですから。それを期待して観に行くとあれ?と思っちゃうかも(自分もその一人でしたし)。引き裂かれた子トラの一方が少年の元に、もう一方がガイ・ピアース演じるハンターの元に行き、その後紆余曲折があり、とゆう話であくまでもトゥ・ブラザーズの物語りですので。だからもっと少年と子トラの交流が色々描かれていれば、とゆう思いはあります。個人的にはガイ・ピアースとトラくんの関係の方が切なかったです。

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『ツイステッド』8/30(月).イイノホール(試写会)

「衝撃のラスト」「仰天の結末」「予測不能」etc。もう止めようよね、こうゆう宣伝文句は。少なくともそれに値しない作品にそうゆう宣伝文句をつけることは観客にとっても作品にとっても不幸なことです。

監督はフィリップ・カウフマン。「SF/ボディ・スナッチャー」「ライトスタッフ」「存在の耐えられない軽さ」「ライジング・サン」なんかを撮ってるけど、スクリーンで作品を観るのは初めて。チラシからの印象は、まあよくある犯人探しのサスペンスミステリーみたいけど、いやに大上段に構えてるなぁ、大丈夫かなぁ〜と心配はしてたんですが、好きなジャンルでもあるし楽しみにしてました。そして濃霧に包まれたサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの幻想的なオープニングシーンに「これはひょっとしたら!?」と期待は膨らんだのですが・・・。

この映画は何を描きたかったのでしょうか?「ラストの大どんでん返し!!」をやりたかったのだとすればそれは失敗としか言いようがありません。騙し方が下手です。少なくともこの手の作品を見慣れた人には途中で
真犯人の予想が付いてしまいます。主人公を含め、その周囲の男達の意味ありげな言動、過去etcと観客をミスリードする要素を各所に配し、何とか引っ掛けようとしている努力は分かるんですが、それがあざと過ぎて返って「こいつは犯人じゃないな」と分かってしまう。その上、もっと作品全体を俯瞰していれば当然気付くはずのミスも犯しているし。これは脚本の問題もあるだろうが、監督の責任でもあるね。まあ、例えそのミスが無くても、似たような作品が数多ある中であの程度のラストでは、この作品が突出した出来になるのは難しいでしょう。犯人の動機が全然弱いし、説得力がない。この手の作品をより魅力的にするには「どんでん返し」も大切だが、その犯人の内面をどれだけ描き出せるかが大きなポイントになってくるんだと思う。物語の性質上、大っぴらにその部分を描くわけにはいけないだろうが、その限られた枠に中でいかに殺す側の心理をも描き出せるか。それが凡作と傑作の違いかしら。ただどんでん返しの為だけに用意された犯人では、犯人が可哀想だ。

【ネタばれ注意(ネタばれに繋がるおそれがあるので未見の人は注意して下さい)】全体の作り・ダメさ加減は最近ではこの作品と似てるかな。

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『マインド・ゲーム』8/28(土).シネクイント

今年は何本もアニメの大作が公開されてますが、今のところその中で一番面白いのではないでしょうか。

CGを使ってよりリアルに架空の世界を構築したり、自分の哲学を展開したるするのも大いに結構だか、作品そのものが面白くなくてはあまり意味がない。実写、2D、3Dが混在したこの『マインド・ゲーム』は、手段の枠を超えて、アニメーションが本来持つ自由な表現・発想の表出とゆうものを実に見事にやり遂げ、なおかつそのスピード感、迫力ある映像、そして何より豊富なイマジネーションで観る者を圧倒する。そして先行するアニメたちに比べても格段に「面白い」。もちろん原作(ロビン西)の力も大きいのだろうが、それをここまでの作品に仕上げた監督の手腕は特筆すべきものだろう。

先にこの映画を観た友人がより熱く熱心にしつこく詳しく語っているので、そちらも参照されたし。

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