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2004.08.29

『華氏911』8/27(金)チネチッタ

ドキュメンタリー映画とゆうより、反ブッシュ映画とゆうことは本人も公言している通りで、まさにその通りの映画。特に前半はあちこちのフィルムを繋ぎあわせ都合よく演出を加えたもの。事前にある程度の情報(同時多発テロ当日の学校訪問時の元テープとか)を得て観たせいか、ブッシュのダメさ加減より編集で一人の男をどれだけコケにできるのかってことに興味がいった。これはブッシュがどうこうと言うより、メディアが恣意性を持った時、どれだけ大衆操作性を発揮できるのかってことの実験でもあるよね。それはもちろんブッシュ政権(に限らず権力そのもの)が行ってきたメディア操作に対する反語なんだけど、メディアの持つ暴力性を自ら実証するって意味でも興味深いことです。

ドキュメンタリー映画の面白さは、後半の議院の子どもを入隊させてイラクに送ろう、とゆうくだりでしょう。そこからラストのジョージ・オーウェルの言葉の引用がこの映画が持つもうひとつの要点ではないでしょうか。「戦争はただそれを続けるためだけに存在する」云々。民主主義や自由世界を守るなんて言葉は嘘っぱち。権力が権力を維持し、それを支える金持ちが私腹を肥やす為のみ引き起こされ、継続される戦争。軍需産業しかり石油産業しかり。それは今に始まったことではないが、今改めて噛み締めなければならない現実だろう。そんな意味でも観て損はない作品。

恵比須の方はまだまだ混んでるようですが、川崎は一番座席数の多い劇場(CINE GRANDEを除いて)なので、座席数の割には全然空いてるんで、ゆっくり観たい方にはお勧めです。

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『D.P』8/26(木)テアトル池袋(レイト)

チラシのビジュアルが割と好みだったし、仮面ライダー555の半田くんが出てるとゆうのもあり、出掛けてきました。監督があの『巌流島—GANRYUJIMA—』の人と知ってちょっと(かなり?)心配したんですが、不幸にも予感は的中したようです。

状況設定は『CUBE』そのまんま。あの立体空間を森に置き換え、殺人アイティムを人もどきにしただけ。アクションも中途半端だし心理描写も幼稚だし、どこを観ろとゆうのか困ってしまう。キャストは(これから注目という意味で)そこそこの人材を揃えているのに、誰も魅力的に見えない(特に脇に回った方々)とゆのは、役者の問題というより演出・脚本の責任が大きいでしょう。

冒頭のニーチェの引用や黒コートの不死身の殺人者たちとか、雰囲気作りは悪くないけど、いかんせん中身が伴ってない。密室空間の謎なんて結局お座なりだし、殺人者の正体もご都合的で意味不明。冒頭のニーチェの引用からだいたいの想像はつくけど、それがうまく話の進行とともに明らかになっていく過程がないから、ただダラダラした印象しか受けない。まあ、そんなこと気にならないくらいのかっちょいいアクションシーンで押しまくってくれるのかと思えばそんなもんもないし。監督の中では素晴らしいイメージがあったのかもしれないけど、出来上がってものはかなりショボいものだったと言わざるをえないでしょう。残念。(でもポスター買っちゃいました)

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『地球で最後のふたり』8/26(木).シネアミューズ

この監督の『6IXTYNIN9』も『わすれな歌』も観てないんですが、何だか不思議な映画でした。タイを舞台にしたラブストーリー。最初、浅野くんが彼女に惹かれる理由がよく分からないくて戸惑いましたが、独特の雰囲気とテンポでそれなりに楽しめました。

劇中に出てくる「さびしさの彼方を」とゆう絵本は実際にあるものなんでしょうかね?と、調べたら実在しないようですね。地球で最後の一匹となってしまったヤモリの悲しみを描いた絵本。それを主人公の心情に重ねてるんですけどね。オフィシャルサイトや他の人の感想を見ると、かなり細かいところにまで気を配られて作られているようですが、観てる間はあまりそうと気付かなかったです。それほど自然な作りだったのか、こちらが鈍感なだけだったのか。ストーリーで語るとゆうより映像や雰囲気で語る作風も影響してるんでしょうね。
浅野くんはそれなりに安定した役作りで可も無く不可も無くって感じでしたし、タイの女優さんもだんだん魅力的に見えてきました。でも個人的にはニホンのヤクザ三人組みが最高でした。特に三池崇史の、そこらの本物のヤクザよりヤクザっぽい怖さ。監督やめても絶対役者で食っていけますよ。誰か、あのトリオを主役に映画撮ってよ。

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『モンスター』8/24.玉川高島屋アレーナホール(試写会)

シャーリーズ・セロンの肉体改造&特殊メイクによる変身振り&迫真の演技でアカデミー賞を受賞した話題作。実在の連続殺人犯をモデルにした事実に基づく作品。
作品そのものは暗くて哀しくて救いがない。しかし、その提示する問題は、決して目新しくはないが、人類にとって答えの出ない永遠の問題である。「何故人を殺してはいけないのか?」「選択の余地のない殺人は許されないのか?」等々。殺人など弁明の余地のない犯罪でどんな言い訳も通用しないとゆう考えもあるだろうが、そこまで割り切って考えられない人たちにとっては色々と考えささせられる作品である。

こうゆう映画を観ると、「夢は必ずかなう」だとか「運命は変えられる」だとかいった勝者の側からのサクセス映画が、現実離れしたお気楽ムービーに見えてきたりもする。もちろん努力が必要なのは言うまでもないことだが、それでもどうしようもないことはどうしようもないんだから。自分一人の力ではどうにもならないことも存在するとゆうことの絶望感。それすら所詮自己弁護と言ってしまえば、敗者はもう逃げ場が無くなってしまう。だって全員が勝ち続ける世界なんてどこにもないでしょ?光があれば影はできるもの。人生に勝ち負けなんて無いって考えは理想的だけどそれこそ自己欺瞞だし、なかなかそう達観できるもんじゃない。マイナス思考を奨励するわけじゃないし、常に前向きに生きてはいきたいと思うがそれを許さない「状況」とゆうものもあるとゆうこと。怖いのはそれに流されて歯止めがきかなくなること。ベトナム帰りのトムの言葉の重さ。

シャーリーズ・セロンが15歳の時、母親が、家庭内暴力を振るう父親を射殺したとゆう事実にも驚きました。そうゆう過去があってからこそのこの演技でもあるのでしょう。クリスティーナ・リッチの存在感もさすがでした。

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2004.08.28

『バイオハザード2/アポカリプス』8/23.丸の内ピカデリー1(試写会)

前作はゲームをやってたし、ゾンビ映画としてもアクションホラー映画としても割りと好きだっので、2も監督が変わって心配はあったものの、楽しみにしてました。しかもミラ・ジョヴォヴィッチの舞台挨拶付き!

生ミラにおべんちゃらを言うわけではないけど、面白かったっす。1より好きかも。アクションも迫力あるし、ゾンビたちも健在だし、無駄な描写もなくテンポよく飽きさせない展開もマル。人肉喰いを含めて、その要点を押さえた描写は「ドーン・オブ・ザ・デッド」より濃縮されてる分、よりゾンビ度は高いかも。
ただ、契約上ゲーム中のキャラを出さなくてはいけない事情かあったのか、中途半端に出てくる怪物や、警察犬だけが感染する犬ゾンビの不思議とか、レイティングの為に殺せなくてカットしたのか、忽然と居なくなる子どもゾンビ軍団の謎、メネシスのキャラとしての統一感のなさ等々、残念な部分は多々あるものの、全体としてはとても迫力のあるアクションホラー作品に仕上がってます。勢いがあるんで細かいことも許せちゃう。

話しそのものはそれ程内容のあるものじゃないけど、まあストーリーを見せる作品じゃないしね。お釈迦さまの掌上の孫悟空的構造でパート3に繋げるんですね。ってゆうかどこまでも続けられそうだすな。

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2004.08.25

『サンダーバード』8/12.TOHOシネマズ川崎

子どものころ見てた記憶がかすかにあるんですが、内容はほとんど憶えていないので、オリジナルに対して何の思い入れもこだわりもありません。ただプラモデルを作って秘密基地で遊んだ記憶は鮮明で、作品そのものよりメカが好きだったようです。

で、実写版の映画です。まあ、よく言われてるように、確かに国際救助隊のサンダーバードの話とゆうより、末っ子のアラン君の成長物語りですな。メカファンだった自分には映像的には少々物足りない作りだし、各キャラもいまひとつ魅力に乏しいものがあった。話しそのものは、まあ子ども向けとゆうことで、こんなもんなんでしょうけど、もう少しメリハリがあってもいいんじゃないでしょうかねぇ。せっかく実写化したんだからその辺のとこヨロシク。さて、日本を舞台にするとも言われているパート2は製作されるのでしょうか?

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2004.08.19

田舎の風景。

8月に入ってあんまり映画を観てないので、別ネタで。
お盆に帰省してきました。ウチの実家がある辺りはかなりの田舎で人口密度がとても低い。そうゆう地域のご多聞に漏れず、市町村合併されもうすぐ住所が変わってしまうらしい。
inaka8-14.jpg
この送電線の向こうに原発があったりするわけです。ちゃんと検査してる?
そうゆう場所のせいか(原発の近くにはUFOが出現しやすいとゆう説が)、近くにUFOで町起こしをしているところがあります。自分も以前住んでたとこです。
ufo-kawara.jpg
UFO冷めんを食べました。器が円盤型でほたてがUFO。たこが宇宙人。ゆで卵が月。でしたっけ?

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『シュレック2』8/17. TOHOシネマズ川崎

日本語吹き替え版を観たかったんですが、遅い時間は字幕版しか上映してないんですよね。洋画ではよくあるパターンだけど、何で日本の映画館は吹き替え=子供向け、字幕=大人向け、みたいな区別をするんでしょうね。日本の声優のレベルは高いし、字幕なんか読んでるより吹き替えの方が、画面に集中できて楽しめるのに。全く納得できません。

でシュレック2です。全体としては前作の方がよかったかな。ただラストの、シュレックたちがお城に乗り込むシーンは1、2を通して一番面白かったです。ピノキオ最高!各キャラも2の方が立ってたかな。ゴッドマザーもいいしね。ただ全体を通してシュレック夫妻の深刻ぶった顔が目立ち、何だか楽しくないんだな。話の内容がそうなので仕方ないのかもしれないけど、残念でした。

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2004.08.15

『アイ,ロボット』8/10.東商ホール(試写会)

SFファンにとっては『リディック』と共にこの夏の楽しみな作品のひとつ。アシモフの『われはロボット』にインスパイアされ、しかも監督があの『ダークシティ』のアレックス・プロヤスとくれば期待感も高まるとゆうもの。果たしてその結果は?

ふむふむ、大筋では外してないとは思うし、それなりに楽しめたものの、詰めの甘さがインパクト感を損ねているかな。ネタ的にも苦しいものがあったのかも。ロボットの自意識とゆうテーマは古くからあるもので、例えば『2001年宇宙の旅』のコンピューターHALとの対話を持ち出すまでもなく非常に哲学的な内容を含むもので、SFがサイエンスフィクションとしてではなくスペキュレイティブフィクション(思弁小説)とも言われる所以のもとにもなる認識論的にも非常に面白いテーマだし、そのロボットの殺人とゆうのもミステリー的要素として申し分ないのだが、如何せんどちらも中途半端な突っ込みでテーマがもつ面白さを引き出せてない。
アシモフのロボット工学三原則にインスパイアされたとは言うけど、せっかくの三原則破りのロジカルな面白さも描けてないし「ゴースト」とゆうあからさまな攻殻機動隊のパクリも言葉上だけで、ストーリーの面白さとして昇華されてない。ネタばれになるので詳しくは書けないが、ラストのオチ?も意外性がないとゆうか、そもそもそのオチに必要な「ロボットの自意識」とゆう問題が十分語られていないままなのに、そのオチは理にかなってないだろうって感じで(ありきたりなオチであることも含めて)不満の残るものだった。宣伝文句の「ルールは破られた、未来は守れるか」も、もっと危機的な状況を作ってくれないと、その解決策も含めて映画の醍醐味としては物足りないよ。
そもそも主人公のウィル・スミスを強烈なロボット嫌いとゆう設定にしたのが間違ってるんじゃないかね。その上その原因を最後の方まで隠す必要性も感じられないし、そこで観客に一つの方向性を植え付けるのは明らかに失敗だと思うのですが。だったらウィル・スミスがロボットを嫌う原因を最初から描いた方がすっきりするし、下手に謎めかした演出はその謎が物語上格別の衝撃を伴わない限り、もったいぶった分、肩すかしの逆効果にしかならないしね。
ネタは十分盛り込まれてるのに何か上滑りで内容的にメリハリが効いてなくてもったいない。何も哲学的に深い作品にしてくれとは言わないが(ちょっと期待はしてたけど)、その可能性を秘めたテーマだっただけにせめてもう少しでいいから掘り下げてほしかった。作品としてのまとまりは悪くないと思うだけに尚更ね。

と、まあ文句ばかり書いてきましたが、これも、テーマ的に自分の好きな分野だし、SF小説にもいい作品が多いだけに余計観る目が厳しくなっている面があるとゆうことを強く申し添えておきます。多分そうゆうSF小説に馴染みの薄い人たちが観ればそれなりにスリリングで面白い作品だと思います。少なくとも『リディック』よりは万人受けするのではないでしょうか。

ロボットのサニー君はなかなかいいキャラでした。一部で話題になっている彼(NE-5型)の造形がクリス・カニンガム作品からの盗作ではないか、とゆう疑惑については、問題の作品をじっくり観たことがないので迂闊なことは言えませんが、そんなに気にならなかったですね。実際どうなんでしょう?

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2004.08.14

『LOVRS』8/5(木).有楽町朝日ホール(試写会)

lovers-pic.jpg
『HERO』に続き古代中国を舞台にした武侠映画。『HERO』が大義に殉じた個の物語だとすれば、今回は大儀を捨てて「愛」に殉じた個の物語、と言った感じでしょうか。どうしてもチャン・イーモウとゆう名前や、豪華な俳優陣の名前を聞かされると「面白いはず」といった先入観(期待感)が先にたってしまいがちですが、さてどうだったでしょうか。

まあ、こんなもんでしょうか。格別絶賛するようなものではないけど、決してつまらないわけではない。面白いんだけど予想を超える程ではない、といったところでしょうか。何が引っ掛かるかと言えば「美しく」撮り過ぎてるってことかしら。映像的にも物語り的にも。『HERO』の時もそうだったんだけど、泥臭さが無いって言うか、生活の匂いがしないって言うか、どこか浮き世離れしたとこで全てが進んでいってる感じなんだな。決して悪いことじゃないんだけど、予定調和的で、一種の型にはまった演出を見せられてるようで、安心して観てられるんだけど、ドキドキもしないってゆうジレンマ。例えば『MUSA』のような鬼気迫るものや、物語がどこに進んで行くかわからない楽しみは決定的に欠落してるんだよね。まあこれは個人の好みの問題でもあるんだけどね。

それでも戦闘シーンの美しさはさすがと言うべきか。主役たち以外の兵隊たちを、一方的な斬られ役じゃなくてちゃんと互角に闘わせることで、様式美的ではあるが華麗で美しいアクションシーンを作り上げているし(でもその後の展開に難ありの場面もあるけどね)、竹林の戦闘シーンも武侠映画好きにとってはうれしい場面でしたしね。やっぱり竹渡り(そんな言葉があるのかどうかしらないけど)は外せませんよね。ちょっと笑っちゃうような竹やり攻撃も結構気に入ったしね。

最初に、美し過ぎてイヤだみたいなことを言ったけど、ラストに人の「情念」を感じられる闘いのシーンがあったのはよかった。物語の展開としては予測可能なんだけど、大義だけでは語れない、予測不可能な人間のエゴの部分を見せてくれたので、作品としては『HERO』よりは好きかな。でも残念ながら作品全体の完成度は低い。その原因は多分冒頭に掲げられる「アニタ・ムイに捧ぐ」とゆう献辞に集約されるのではないかと思うが(主演の一人にキャスティングされていたアニタ・ムイが急死したのだが、代役を
立てず脚本の変更だけで対処したらしい。詳しくは公式サイトで)、事情は分かるにしろ結果的にそれが作品の消化不良を引き起こし、物語として中途半端な印象をあたえてしまっているのは、作品の厚みを出す上でも残念なところだ。

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2004.08.08

『マーダー・ライド・ショー』8/4.シアターイメージフォーラム(試写会)

監督のロブ・ゾンビとゆう人に関してはほとんど知識はないのですが、『マトリックス』や『ミッションインポッブル』のサントラや、オジー・オズボーンなどのミュージックビデオを手がけているヘヴィ・ロック界の大物らしい。そしてこの作品も完成後しばらくお蔵入りにされたものの、公開後噂が噂を呼びスマッシュ・ヒットを記録、続編も決定しています。

で、『マーダー・ライド・ショー』。元ネタは『悪魔のいけにえ2』を筆頭とする数々のホラー映画(だけとは限らないらしが)。だからそれらの映画を知っていた方がより楽しめるのは確かでしょう。でもそんな奴、この日本に一体どれだけ居るんだ!?俺も「映画秘宝」の記事を読んで初めてそんなこと知ったし、だからと言ってこの映画が一部のマニア向けだとは思わなかったし。あ、でもホラー映画自体が「マニア向け」と言われれば仕方ないっすけど、ある程度ホラー映画と言われる作品を観たことのある人ならそれなりに楽しめると思います。まあ確かにかなり“濃い”作品ではあります。灰汁が染み出てるとゆうか、好き放題とゆうか、ここ最近のホラー映画のリメイク(『テキサスチェーンソー』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』などの)作品に比べれば遥かに過激で過剰で悪趣味で、オリジナルの作品が作られた頃の雰囲気を出しているんではないでしょうか。個人的には結構気にいってます。続編はもっとすごいことになってるって話しですけど、楽しみです。

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2004.08.06

『リディック』7/29.有楽町朝日ホール(試写会)

shiodome-riddick.jpg
『ピッチブラック』の続編。大作感はあるものの、それに見合った中身かどうかは疑問。ヴィジュアル的には決して嫌いじゃないけど、脚本に問題あるよ。
今回の話の中心はネクロモンガーという、自分たちの洗脳を受け入れない奴らは皆殺しにして宇宙を統一しようとしてる邪悪で極悪なカルト教団なんだけど、とてもそんな風に見えない。こいつらは強いのか弱いのか、一体どれくらい悪い奴らなのか、その存在の仕方がよく分からないんだ。これは致命的でしょ。物語の根幹に関わる問題だからね。しかもネクロモンガーそのものより、その内部の権力闘争に焦点が当たっているのはいささか先走り過ぎでは。

リヴァースとか生と死を合わせ持つ存在だとか、広がりそうなネタはあるのに、どれも言葉だけで内容的な面白さに消化されていないので作品に広がりが出てこないんだな。三部作とか言ってるし、世界観的にはそれなりに構築されたものがあるのだろうが、それが作品の表面に出てきてないとゆうか、垣間見えてこない。美術的にもかなり作り込んであるし、雑誌やネット上の記事を読む限り、しっかりした作品コンセプトがあるのは分かるけど、結果的にその奥深さが伝わらないのではどうしようもないよね。

ネタを散りばめ過ぎて返って大味になってしまったって感じかな。冒頭からして、あんなんでリディックを捕まえられるわけないじゃん!と誰もが思うような間抜けな賞金稼ぎたちが出てくるし、色の変わる凶暴な獣の使い方もヘタだし、ご都合主義的に生き残りの仲間はいるし、カルト教団は一枚岩じゃないし、教祖は弱いしetc。観てる間はそれなりに楽しめるけど、満足感は低いかな。まあ、いかにも続きがありますよ的な強引な落ちのラストに免じて次回作に期待、としておこうか。

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2004.08.04

『穴』7/27.ユーロスペース(レイト)

「穴」をテーマにした短編オムニバス映画。

●『胸に開いた底なしの穴』:佐々木浩史監督、三輪明日美主演とゆう、ある意味コテコテのジャンル作品。まじめに撮っているのかセルフパロディなのか判断に困るところだが、いずれにしても四作品のなかで一番凡庸な出来であるのは残念なところ。ネタ的にもオチ的にももうひと工夫がないとつらい。

●『青春の穴』:先日『プシーキャットキルキル』『ずべ公同級生』を観たばかりの本田隆一監督の作品。テンポといいギャグといい相変わらず切れがいいです。
山本政浩君がここでもとぼけたいい味を出しています。短編うまいね、この監督。


●『夢穴』:麻生学監督。ネタ的にはよくあるネタだけど、短編とゆうことと青春ものとゆうことで、コンパクトにまとまった飽きのこない仕上がりになっている。尾見としのりならではの役?ただ一番「穴」とは関連薄いかも。

●『怪奇穴人間』:地獄甲子園のハチャメチャさ(ババアゾーンは観てません)からはかなり控えめの画面。もちろん話や役者陣はしっかりぶっ飛んでるけどね。この大仰な演出とナンセンスな展開はこの監督の持ち味で、それがCGを使うことによってより一層濃い味になってたんだと思うけど、そんな特殊効果を使わなくても十分面白い作品が作れるってことですね。まあ短編ならではってゆうのはあるだろうけどね。坂口拓の探偵はいいね。あの刑事たちとのコンビでシリーズ化して欲しいよ。

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