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2004.08.15

『アイ,ロボット』8/10.東商ホール(試写会)

SFファンにとっては『リディック』と共にこの夏の楽しみな作品のひとつ。アシモフの『われはロボット』にインスパイアされ、しかも監督があの『ダークシティ』のアレックス・プロヤスとくれば期待感も高まるとゆうもの。果たしてその結果は?

ふむふむ、大筋では外してないとは思うし、それなりに楽しめたものの、詰めの甘さがインパクト感を損ねているかな。ネタ的にも苦しいものがあったのかも。ロボットの自意識とゆうテーマは古くからあるもので、例えば『2001年宇宙の旅』のコンピューターHALとの対話を持ち出すまでもなく非常に哲学的な内容を含むもので、SFがサイエンスフィクションとしてではなくスペキュレイティブフィクション(思弁小説)とも言われる所以のもとにもなる認識論的にも非常に面白いテーマだし、そのロボットの殺人とゆうのもミステリー的要素として申し分ないのだが、如何せんどちらも中途半端な突っ込みでテーマがもつ面白さを引き出せてない。
アシモフのロボット工学三原則にインスパイアされたとは言うけど、せっかくの三原則破りのロジカルな面白さも描けてないし「ゴースト」とゆうあからさまな攻殻機動隊のパクリも言葉上だけで、ストーリーの面白さとして昇華されてない。ネタばれになるので詳しくは書けないが、ラストのオチ?も意外性がないとゆうか、そもそもそのオチに必要な「ロボットの自意識」とゆう問題が十分語られていないままなのに、そのオチは理にかなってないだろうって感じで(ありきたりなオチであることも含めて)不満の残るものだった。宣伝文句の「ルールは破られた、未来は守れるか」も、もっと危機的な状況を作ってくれないと、その解決策も含めて映画の醍醐味としては物足りないよ。
そもそも主人公のウィル・スミスを強烈なロボット嫌いとゆう設定にしたのが間違ってるんじゃないかね。その上その原因を最後の方まで隠す必要性も感じられないし、そこで観客に一つの方向性を植え付けるのは明らかに失敗だと思うのですが。だったらウィル・スミスがロボットを嫌う原因を最初から描いた方がすっきりするし、下手に謎めかした演出はその謎が物語上格別の衝撃を伴わない限り、もったいぶった分、肩すかしの逆効果にしかならないしね。
ネタは十分盛り込まれてるのに何か上滑りで内容的にメリハリが効いてなくてもったいない。何も哲学的に深い作品にしてくれとは言わないが(ちょっと期待はしてたけど)、その可能性を秘めたテーマだっただけにせめてもう少しでいいから掘り下げてほしかった。作品としてのまとまりは悪くないと思うだけに尚更ね。

と、まあ文句ばかり書いてきましたが、これも、テーマ的に自分の好きな分野だし、SF小説にもいい作品が多いだけに余計観る目が厳しくなっている面があるとゆうことを強く申し添えておきます。多分そうゆうSF小説に馴染みの薄い人たちが観ればそれなりにスリリングで面白い作品だと思います。少なくとも『リディック』よりは万人受けするのではないでしょうか。

ロボットのサニー君はなかなかいいキャラでした。一部で話題になっている彼(NE-5型)の造形がクリス・カニンガム作品からの盗作ではないか、とゆう疑惑については、問題の作品をじっくり観たことがないので迂闊なことは言えませんが、そんなに気にならなかったですね。実際どうなんでしょう?

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コメント

同じネタということでトラックバックさせていただきました。
原作の知名度は果たして?というところが気になります。SFものの間では定番なんですが。

投稿: west | 2004.08.18 11:41 午後

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ウィル・スミス主演の映画「アイ,ロボット」の原作である短編集「われはロボット」が [続きを読む]

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