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2004.06.29

ビッグ・フィッシュ6/23.TOHOシネマズ川崎

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ウォルター少年とは、「キリン」繋がり。

現在・過去と現在の混合・現在、とゆう時間軸構成が『ウォルター少年と、夏の休日』にとてもよく似てます。さらに、語るのが父親かおじいちゃんかの違いはあるものの、その内容が荒唐無稽で、どこまでが本当なのか、とゆう点もそっくり。そしてラストのお葬式まで。

で『ビッグ・フィッシュ』です。似たような構成の作品ながら、感動値ははるかにこちらが上ですな。主人公が『ウォルター君~』があくまで少年時代の自分であり、対象がおじいちゃんなのに対して、『ビック~』は現在進行形の大人の自分が主人公だし、対象が父親とゆう関係性の違いが大きいのかもしれません。が、それでも現実と幻想性を巧みにブレンドするティム・バートン特有のマジックリアリズムが十分に生かされているからこそ、映画に奥行きができ観る側により深い印象を残すのではないでしょうか。現実と虚構のあわいを巧みに操り、サーカスや不思議な町の人々・数々のエピソードをひとつひとつ丁寧に描いていくことによって、それらが違和感なく存在し、父と息子のリアルな物語りであると同時にファンタジーでもあるとゆう独特の味わいを出しているのでしょう。

ってゆうか、変な理屈なんか並べなくても、面白いんです。単純に。それだけでもすごいことです。楽しいしドキドキするし、びっくりするし、不思議だし。バートンの最高傑かどうかは別として、ここ最近の中では(エド・ウッドは観てませんが)ベストの作品ではないでしょうか。

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『ウォルター少年と、夏の休日』6/21.東京国際フォーラムホールC(試写会)

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ジコチューの母親に、財産目当てにおじいさん二人の家に置き去りにされた少年の一夏?の冒険。
まあ、一種のファンタジーなんですかな。叔父さんの若かりし頃の、ホントともウソともつかない冒険譚がメインぽいし。でも叔父さんたちの話の場面は、自分たちの回想じゃなくて、少年が話を聞いて勝手に想像を膨らませて作ってる物語りなのですね。だからこその荒唐無稽さで面白いんだけどね。
ホントはオスメント君とおじいさんたちが打ち解けていく過程をもう少し丁寧に見せて欲しかったけど、まあそうゆうとこに主眼があるわけではないので。

おじいさんたちが何故田舎で隠居生活をしているのか(ってゆうか「必要とされなくなった老人」とゆう位置付けらしいんですが)今一つ分からないんですが(ちょっと寝ちゃったせい?)、その無邪気でぶっ飛んだ生活(買い物)振りが笑えます。あとワンちゃんトンちゃんをはじめとする動物たちね。彼らの存在が半分くらい占めてるんじゃないでしょうかね、この映画の魅力の。

宣伝文句の「〜一瞬のエンタテインメントより、一生心に残る感動作を〜」云々はかなり大げさだね。そこまでの感動作ではないけど、それなりの爽快感の残る作品ではあるかな。それにしても母親はひどい描かれ方だね。原作は知らないけど、そこまでするかね。

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2004.06.27

『スターシップ・トゥルーパーズ2』6/19.銀座シネパトス

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生まれて初めて買ったDVDソフトが『スターシップ・トゥルーパーズ』だったわけですが、この降ってわいたような「2」の公開にはびっくりしました。作ってることすら知りませんでしたからね。しかも監督があのフィル・ティペット。最近ではマトリックレエボリューションでのザイオンと機械軍団との戦闘シーンを受け持った人ですね。劇場公開されるのは日本くらいで、以外の国ではビデオスルーとゆうことでスクリーンで観ることができる貴重な機会なわけです。しかも改装後初のシネパトスです。

と言うわけで「2」です。前作に比べると格段の低予算だし、出演者もあまり聞かない名前。ストーリーもバグズとひたすら闘うとゆうシンプルなもの。ただその中に「超能力兵士」や「エイリアン」「物体X」的な要素を加えている。まあ、正直戦闘シーンも割と単純だし、話もSF・ホラー的要素を加えているけど、全てどこかで観たことのあるような画面で新鮮味はない。それでも前作のスピリッツは継承していて、戦争をコケにする姿勢は保っている。作品ととして面白いかと問われれば、それほど面白いとは答えられないが、続編が作られ公開されたとゆう喜びと、B級感全開の作りはとてもうれしいのであって、それだけでも自分には観る価値があったのであります。

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2004.06.22

『21グラム』6/18.WMCみなとみらい

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予告編がなかなか印象的で、この監督の前作『アモーレス・ぺロス』も面白かったのでかなり期待して劇場に臨みました。事前に、かなり入り組んだ構成とゆうか時間・空間軸があっちゃこっちゃ飛んでると聞いていたし、大まかな物語の筋も知っていました。

う〜ん、それが災いしたのかな。あれだけ物語をぶつ切りにして再構成してるんだけど、結局最初の方で結末を見せちゃってるから、落としどころが分かっちゃって全部予定調和にしか見えなかったし、自分の中でほぼ時系列順に並べ変えられちゃったんで、意外性が味わえなかった。ってゆうかこれってだいたい分かるんじゃない?主役三人の関係がどうで、どうなるって、予告編とかから。あらかじめ撮ったひとつの物語を細切れにして『メメント』みたいにシャッフルしてるだけだもんね。『メメント』より全然わかり易いし。『アモーレス・ぺロス』のようなどこに転がっていくのか分からない破天荒さがないよね。「それでも人生は続く」ってゆう言葉も、もはやわざわざセリフにしなくてもってゆう感があるしね。
もちろん主役三人の力のこもった演技で、とても深みのある映画にはなってるのは確かなんだけどね。命の重みを感じさせる作品ではあるよね。ただ、それだけと言えばそれだけの感じもしてしまうのはいけないことかしら。この物語をこうゆう演出で見せなければならない必然性が分からないし、監督の編集テクニックを見せられているだけの気もしてしまうのでありました。

余談ですが心臓移植を扱った作品としては、やはり『HEART』が最高でしよ!

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2004.06.20

『69 sixty nine』6/17.チネチッタ(試写会)

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李監督の前作『BORDER LINE』からは想像もつかないコメディタッチの映画。村上龍の自伝的小説が原作とゆうことだが、(読んではないけど)当然原作の持つ毒や陰の部分はかなり薄められてるんでしょうなあ。まあそれは一本の映画作品としては関係ないことで、この映画の持つ魅力を損じるものではありませんが。

とゆうことで『69 sixty nine』です。舞台は1969年のSASEBO。東大安田講堂は陥落したとはいえ、まだまだ政治の季節は終わったわけではなく、エンプラ騒動やベトナム反戦運動があったり全共闘が活動してる時代。一方では「11PM」や「平凡パンチ」「奥村チヨ」といった風俗が若者(男たち?)を魅了していた時代。で、映画の方はそんな政治的背景には深入りせず、女の子にもてたいとゆう健全な目的の為に政治も利用しちゃう明るく元気な一人の高校生とそのお友達たちのお話。69年が舞台だけどそんなことはあんまり関係ないようだ。ただ友達どうしの関係が健全とゆうか、陰湿じゃないとゆうか、社会全体がいい意味でのんびりしてたって雰囲気はあの頃ならではかも。もちろんとんがった人たちはいっぱいいたけど、それはもまあ笑いの種ってことで。
青春やんちゃ映画として、なかなか楽しめる作品です。妻夫木くんをはじめ出演者がほんと楽しそうでした。九州弁もどこまで正確なのかは分かりませんが、知らない人間にとってはそれなりに聞こえましたし、脇の友人達や大人たちも面白かったです。さすがに安藤政信の高校生姿に無理があったけど、それもまた愛嬌。バトルロワイヤルの山本太郎みたいなもんだ。嶋田久作のああゆうセリフの少ない役はいいですね。活舌が悪いのがそれほど気にならない、って誉めてないってそれ。

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『深呼吸の必要』6/15.ヨコハマ・シネマ・ソサエティ

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特別好きな監督とゆうわけではないんだけど、何故だかよく観る監督作品とゆうのがある。篠原哲雄監督がそうだ。まあ、多作とゆうこともあるんだけどね。そしてこの監督「原作」ものが多いので、監督の”色”ってゆうのが薄く感じるんですよね。まあ、逆に自分の色を出さないのが色になってるとも言えるんですが。よく言えば役者の個性を引き出すのがうまいとも言えるんですが、監督としての魅力が伝わらなく「職業監督」的に思えちゃうのも寂しい。そう思ってるのは俺だけ?

で『深呼吸の必要』なんですが、まあこんなもんでしょう。アルバイトとはいえ仕事なんだから、あれくらい努力してきびを刈るのは当然でしょう。わけありの5人のそのわけに深く突っ込まないのは正解だけど、ご都合主義的展開には不満があるし、香里奈は『海猿』より全然いいし、長澤まさみもセリフがほとんど無いのに十分な存在感を出していたし、だけど最初の”蹴り”は不可解だし、他の出演者もいい味出してたし。過去を明かす人間と明かさない人間がいる中途半端さも、全員が過去に傷を持っている必要はない、と好意的に解釈しようと思えばできるし。まあ、一番よかったのはおじい、おばあを含めた沖縄の空気だね。「なんくるないさぁ」この一言に尽きます。この沖縄的おおらかさが全ての救いの源だね。

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『ブラザーフッド』6/14.イイノホール(試写会)

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『グッバイ、レーニン!』とは東西南北繋がり。

大作である。確かに大作である。戦闘シーン及び人体損壊には相当な力が入っていて、そのリアルさ迫力はハリウッド並みでとうてい日本映画が足下にも及ばないレベルである。さすがに国を挙げて映画産業育成に力を入れているだけのことはある。で、その大作が描きたかったものは何か?朝鮮戦争に強制徴兵されてしまった兄弟の、深い絆の物語である。

本来、家系を守るため一家族からは、兄弟がいる場合どちらか一人しか徴兵されないはずなのに、混乱の中、兄弟二人ともが戦地に送り込まれてしまう。兄は何とかして弟を退役させ故郷に帰そうと、自ら危険な任務に赴き勲章を得ようとする。しかしそんな兄の無謀さや戦争にのめりこんでいく姿に不信感を抱いていく弟。開戦前はあんなに仲のよかった兄弟の心が、次第に離れていく。そして運命は更に残酷な仕打ちを兄弟に与えるのであった。
と、なかなか劇的な展開で感動作なわけなんですが、あまりに感動作に作ろうとしたせいなのか、弟(ウォンビン)の人物設定が突然変わってしまってる気がする。冒頭〜徴兵直後までは優等生で虫も殺せない風でおまけに心臓が弱く病弱な人物(発作を起こしてるんだよ)なのに、あるシーンから突然目つきが鋭く喧嘩も滅茶苦茶強くなってる。どうみたって同じ人間じゃない。強制徴兵されてそのまま戦場送りなんだから訓練してるわけじゃないし、戦場で銃の撃ち方はうまくなることはあっても殴り合いが上手になるとは思えない。多分、最初は「病弱な弟を守る兄」とゆうコンセプトでいったんだけど、それじゃラストに向かって話が続かないんで無理矢理強くしてしまったのかな。演出の都合上だろうがもったいない。

あと、二時間半とゆう時間的にも大作な割には満腹感が薄く感じて、それは何故だろうと考えたら、この作品、ほとんど兄弟二人だけの物語りなんだよね。これだけの大作になるとサイドストーリーとして他の戦友の話とか何とかを平行して描いて作品に厚みをもたせるものだが、そおゆうことを一切せずにひたすら兄弟及びそれに附随する家族の物語に終始する。それはそれで潔くていいのだが、これだけ長いにしてはちょっと物足りない気もする。
それと、作品では朝鮮戦争の政治的な部分には全く触れられていないのがだ、少しくらいは触れた方がより作品に多層性が生まれ、訴えるものがあったと思うのだが。今尚続く南北分断、朝鮮戦争による軍需特需で今の日本の経済大国の基盤ができたことを考えても、兄弟愛だけで押すにはもったいない作品だと思うのです。

と、不満もあるものの、ハリウッドのように音楽で無理矢理盛り上げることもせず、兄弟愛を通して戦争のもたらす悲劇を訴える力は十分にあり、まさしく韓国映画のパワーを見せつけられる作品であります。

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『グッバイ、レーニン!』6/11.恵比須ガーデンシネマ

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もっとコメディ色の強い作品かと思っていたら、以外とシリアスな映画でした。もちろん笑えるんですが、笑いの正体を考えるとシリアスっていう意味で。

ベルリンの壁の崩壊前夜、心臓発作で倒れ、一命はとりとめたものの壁の崩壊を知らずに昏睡状態から目覚めた社会主義の闘士でもある母親。ショックを与えると命に関わるとのことで、体制の崩壊・資本主義社会への移行を何とか隠そうとする息子。その息子の奔走ぶりが可笑しいわけだが、そこには社会主義社会の閉鎖性を笑うだけではなく、資本主義社会の矛盾や「お金」中心のものの考え方へのブラックな笑いがある。社会主義の時代が必ずしも悪かったわけではなく、資本主義が必ずしも万能なわけでもない。昔を懐かしむ老人たちに小遣い稼ぎの為に平気で嘘をつく少年たち。社会体制が変わったからといっても、人間が生きていかねばならないことに変わりがあるわけではなく、自由になった分、その責任は自らが負わねばならないところに資本主義社会の厳しさがある。
そして途中で明らかになる数々の真実により、息子の中でこれまでの人生の価値観の崩壊が始まる。何故彼の父親は家族を残して西側に亡命したのか。何故母親は社会主義の闘士になったのか?彼にとっては社会の変化よりそっちの方の変化がよりショックをもたらす。それでも母親に体制の崩壊を隠そうとする息子(って実はものバレてるぽいんだけどね)。それはもはや母親の為というより、自らの存在証明の為のようにも思えてくる。いや、母親が彼の存在証明でもあるんだけどね。そおゆう意味では、大切なのはイデオロギーやお金ではなく、親を思う子の心であり、子を思う親の心であるってことかな。
しかしこれ、逆に資本主義から社会主義への体制の変化だったらシャレにならないよね。即銃殺?

あ、それと主人公の同僚のビデオおたくの子(あの偽ニュース作りは爆笑です)。彼の着ていたTシャツがマトリックスTシャツに見えたんだけど気のせい?どう考えても時代的に無理だよね。

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2004.06.18

ドーン・オブ・ザ・デッド



5/15(金)公開の『ドーン・オブ・ザ・デッド』の公式サイトへのリンクバナーです。この作品は言わずと知れたジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』をベースにした作品で、初めて劇場で『ゾンビ』を観た時の衝撃が忘れられず、以来その虜になってしまった身には、非常に楽しみな作品です。

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2004.06.12

『パピヨンの贈りもの』6/10.銀座テアトルシネマ

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カレンダー・ガールズとはカレンダー繋がり。

いやー、子どもと老人には勝てませわ。弱いんです、この手の映画には。
なかなかよかったです。独り暮らしの老人と母子家庭で鍵っ子の女の子との「蝶」探しを通しての心の旅。老人は何故蝶を収集しているのか?少女は何故誰とでも仲よくなれるのか?二人はお互いを通して、自分が必要としていたものを再発見していく。それがパピヨンの贈りもの。まさしくウィットとユーモアに富んだ佳作とゆうべき作品でしょう。
こちらもカレンダー・ガールズ同様、色んなテーマが盛り込まれているんですが、その辺はさらりと提示するだけにとどめ、あくまで中心は老人と少女の交流で、そこを通して様々な問題が浮かび上がるとゆう寸法。育児問題・自然破壊・ミツリョウシャetc。そうして少女は自然の中で人生について学び、老人は自分の人生を見つめ直す機会を得る。押しつけがましくならず、あくまで物語の流れの中でさりげなく。

それにしてもあの幼虫を送ってきたのは誰だったんでしょう?そんなリアルな疑問は野暮?

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2004.06.11

『カレンダー・ガールズ』6/8.相鉄ムービル

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『リアリズムの宿』とは”乳首”繋がりです。

中年を過ぎようとしている女性(主婦)たちが、仲間の夫がガンで亡くなったのを機に、お世話になった病院にふかふかのソファを贈る(&仲間を励ます)ための資金集めに自分たちがモデルの「ヌードカレンダー」を作る、とゆう実話ベースのお話。
ヌードカレンダーを作るのに四苦八苦する様子や、カレンダーが評判になりハリウッドにまで招かれる様子などが、テンポよくおかしく、かわいく、ちょっぴり切なく、とてもいとおしく描かれてます。多分もっと数々の波紋を周囲に及ぼしたんだろうしと、お互いの間にも色々あったんでしょうが、その辺のエピソードは必要最低限にとどめあくまでエンターテインメントに徹した作りが勝因でしょう。おかげで深刻な場面も明るく前向きに乗り越え、観終わったあとある種の爽快感があります。活き活きと輝いていたおかあちゃんたちに拍手。

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2004.06.08

6/7の飛行機雲

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今日はへんてこな天気でしたね。おかげで色んな雲が撮れましたが、最後に撮った雲がこれです。

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2004.06.07

『リアリズムの宿』6/5.渋谷シネマソサエティ

前日に観た『列車に乗った男』同様、ひなびた駅に男が降り立ったところから映画は始まる。しかもこちらも話の中心は男二人。そこに女が一人ちょっと絡む。次第に打ち解けて行く男二人。それ以外は似ても似つかない話だけど、何かこうゆう類似性ってワクワクしますね。

駅に降り立った二人。共通の友人船木と三人で旅行の予定が肝心の船木が寝坊して来ない。二人は面識はあるものの直接話したことはない仲。仕方無くぎこちないふたりの旅が始まる。
この監督の『どんてん生活』も『ばかのハコ船』も観てて、その独特の間や世界観が好きで、さらに今回はつげ義春の原作とゆうことで期待値はかなり高かったのです。が、う~ん、前二作に比べると今一つかなぁ。ひとつひとつのネタは面白いし、この監督独自の空気感は健在なんだけど、全体としてもうひと押し足りないとゆうか、負のパワーが弱いとゆうか、観てる側の予想を裏切るような展開がないんだなぁ、今回は。ネタ出しに終わってる感じがする。原作ものとゆうせいもあるのかしら。主人公二人が、キャラクターとしては面白いし自主映画を作ってる男達ってことで、個人的には非常に親近感を感じるし会話も痛いくらい可笑しいんだけど、『どんてん生活』のようなダメダメ男達じゃなくて割と普通の若者なんで、「どうしようもなさ」さが出てないし、『ばかの箱船』の「あかじる」のような強烈なアイテムも無いし。ロードムービーぽいんだけどロード感が無くて宿巡りだけなんだもん。せっかく唐突な登場で笑わせてくれた女の子も(『萌の朱雀』の尾野真千子ちゃんですよ!)、唐突なだけで、もうちょっと使いようがなかったの?って感じだし。まあ、次回作に期待かな。

余談ですがこの映画の英語タイトルが当初は「Waiting for Funaki」だったらしいです(現在は「RAMBLERS」)。そう演劇関係の人にはお馴染みの「ゴドーを待ちながら」ですね。つまりこの映画は”ゴドー待ち”なんですね。ってあらためて言わなくても冒頭観れば分かりますよね。

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2004.06.06

『列車に乗った男』6/4.ル・シネマ

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まさしく役者で見せる映画って感じですね。二人の男が出会って別れるまでのほんの数日間の話しなんですが、そこにそれまで全く違った人生を歩んできた二人の男の人生を凝縮させ、さらにその先にあるものを垣間見させる密度の濃い演技と演出。ストーリー自体に大した起伏はなく淡々とした時間が流れ、最初ぎこちない二人がいつしか打ち解けていく様子が微笑ましくもあるものの、全体を覆う哀切の雰囲気が緊張感を途切れさせません。しかも最後に深い余韻を残してくれます。
もし人生をやりなおせるとしたら?。別にこれまでの人生に悔いがあるわけでもないけど、違った生き方をしてみたいと思うことは誰にでもあることでしょう。老境にさしかかったある人生の節目で、そんなもう一つの人生を歩んできた男にお互い出会った時、運命の歯車が大きく回ったのかもしれません。これは血気盛んな若い時に観るのと、ある程度年令を重ねてから観るのとでは印象が違うかもしれませんね。今の自分に自信があり生活も充実している時に観ると、ラストがすごく納得いかないかもしれません。ラストにも映画そのもにもシンパシーを感じた自分は、やはりもうそれなりの年になってしまったとゆうことでしょうか。列車の音をアレンジした音楽がいつまでも耳を離れませんでした。

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『海猿』6/3.TOHOシネマズ川崎(試写会)

日本映画にしては珍しく?冒頭から勢いのある映像でつかみはOK。中盤以降もそれほど中だるみすることなく、海上保安庁の潜水士とゆう一般には馴染みの薄い題材ながら、「仲間」や「努力」といったそれなりに訴求力のあるテーマで見せ場を作っていく。主演の伊藤英明とヒロイン加藤あいの恋愛?には、時間枠のせいか消化不良の感を受けたが(個人的にはもうひとりの伊藤くんこと伊藤淳史くんと香里奈とのシーンの方が好きなんですが)、全体としてはポイントを押さえたよくまとまった作品ではないでしょうか。最初から最後がほぼ読める型通りの安心して観ていられる作品です。ただ残念なのはクライマックスの訓練中の事故のシーンで、「訓練生だから救助に行けない」とゆう規則のせいゆえに苦悩する大事なシーンがあるんですが、僕も含めてそんな規則を知らない、あるいは規則自体納得がいかない一般の人たちからすると「助けに行けるのに何故助けにいかないの?」とゆう疑問の方が強くて、物語り全体としての盛り上がりに付いていけないところがあることです。まあ、そこを元にして最後にもうひとつジーンとくる場面を作っているので仕方ないんでしょうが、そこのところの脚本をもう少し変えていれば、もっと感動的な作品になっていたと思います。
それにしてもこれの前に観たのが『シルミド』だったせいもあるのか、話の作りが似ていますね。ある目的の為に集められた男達。過酷な訓練(どちらも水中での訓練もあるし)とそれを通じての友情・連帯感。仲間の死。隊員と上司の間で苦悩する上官。まあ、表面的な部分だけですけどね。
あとこの作品、エンドロールが終わるまで席を立たないでいると、ちょっとしたオマケが観れます。

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『SILMIDO-シルミド-』6/1.明治安田生命ホール(試写会)

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歴史的事実をベースにした作品とゆうのは、映画的完成度とゆう観点とは別にその事実(どこまでが事実に基づくのかとゆう問題はあるにしろ)がもつ重みとゆう問題もあるのでなかなか難しいものがあります。
この作品も「金日成暗殺」とゆう極秘任務のために結成された暗殺部隊の生い立ちから消失までの、韓国政府が「歴史の闇に封印」してきた、驚くべきを事実を描いています。もちろん「映画」ですから全てが事実だとは思いませんが、このような事件が確かにあったとゆう衝撃と、「映画」としての面白さは十分あります。作品のプロットとしては国家がその目的の為に個人を平気で駒として使い捨てる、とゆうのは多々あると思いますが、そこに「事実」とゆう要素と韓国映画の勢いが加わり、重々しさの中にもエンターティナー性のある見ごたえのある作品に仕上がってます。
しかしこの映画、完成までに様々な障害があったようですが、公開してからも様々な波紋を投げかけているようで、まだまだ目が離せないようです。

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