ゲド戦記
えー『ゲド戦記』です。こちらも『ブレイブストーリ』と同じく小説のアニメ化です。かなり酷評のようですが、まあこの目で確かめてこようと思い観てきました。原作は未読です。原作の映画化については前の記事でも書きましたので割愛しますが、この作品は原作と比べること自体無意味だと思います。原作からはほんと、タイトルだけ拝借してるようなものですから。
で、映画そのものは思っていたより楽しめました。分かりやすくていいんじゃないでしょうかね。そもそも宮崎駿の作品と同列に語ることなんて無謀なわけで、これはこれとして(原作のことも考えないで)観ればそんなに酷いものではないと思いますが。個人的には『時をかける少女』よりは面白かったです(なんてこと言うと怒る人が大勢いそうですが)。特に田中裕子の熱演には頭が下がりました。エボシ御前役もよかったけど、今回の不気味さは特筆に値します。エボシ御前プラス顔なし的キャラクターで、これは子どもが観ればトラウマになる確率はかなり高いと思います。
まあ、そもそもこれは映画化自体に無理があったわけで、その辺の責任はジブリ並びに鈴木敏夫プロデューサーにちゃんと考えて欲しいところです。でも原作者のアーシュラ・K・ル・グウィンの言い分も分かるけど、映画化を許可した時点でそれは承知ってことになってしまう仕組みなのでしょうがないことでしょう。米国ドラマ版の教訓を生かせなかったってことでしょうか。まあそれも彼女が宮崎駿のファンになってしまってたことや、本人の言葉を借りるなら「プロジェクトはつねに駿氏の承認を受けながら進められるという印象があり、また実際、先方もそのように保証していました。こうした理解のもと、契約は締結されました。」という認識があったのならいた仕方ないかもしれませんが。
ジブリ映画「ゲド戦記」に対する原作者のコメント全文(仮)
アーシュラ・K.ル=グウィンと言えば『闇の左手』世代としては、『ゲド戦記』は未読ながらアニメ映画版に対する作者のコメントはしごく真っ当なものに聞こえます。あんな単純なお話にしてしまっては原作者の立つ瀬がないというものです。おっと、調べてみたら『天のろくろ』が再販されてるじゃないですか!自慢じゃないですがサンリオSF文庫版と原書のペーパーバックを持ってまっせ。
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コメント
こんにちわ! TBさせて頂きました。
私もすんなりと最後まで観る事が出来ました。
終わってみればいろいろとオカシイなぁと
思うところも多々ありましたが、憤るほどでは
無かったかと、、、。
しかし田中裕子さんの声は本当に凄かったですね。
今後とも宜しく御願い致します。
投稿: cocos | 2006.09.04 22:32